頬の皮下脂肪を減らすと、法令線に上からのしかかる重みが減るために法令線は浅くなりますが、以下の理由からあまりお勧めはしません。
1.頬のたるみが加速する
2.将来、皮下脂肪が減った時に余計に老けて見える可能性がある
1は、脂肪溶解後に皮下脂肪が余るため、皮膚のたるみが目立つことが原因です。
皮下脂肪がかなりある方や、年齢的に若い方は、脂肪溶解注射は控えめに行ってもよいかもしれません。
2の理由は、10年単位では皮下脂肪は減ってくるため、将来より老けて見える可能性があるからです。
今後のことを考えると、あまり頬の脂肪はむやみに減らさない方が良いです。(顔の皮下脂肪の加齢による変化について≫)
頬の皮下脂肪は、どのように法令線に影響を与える?
そもそも、法令線ができる原因は頬の皮膚が紫外線や加齢の影響により薄くなり、伸びて重力で下がってくるためです。(ほうれい線の原因の詳細>>)
また、皮膚はある程度皮下脂肪とゆるくくっついているため、頬の脂肪は皮膚とともに下に下がります。
下がってきた頬の皮膚は法令線のところで支えられています。
ほうれい線のところには、じん帯と呼ばれる構造があり、皮膚は深部に固定されています。
上からの落ちてくる皮膚をせき止める防波堤のような役割をしています。
法令線のところの皮膚のコラーゲンが減り、コシが弱くなると、パキッと折れ線ができてしまいます。
これが法令線です。
リスクなく法令線を解消する方法は?
ほうれい線を治療する方法は、以下の4つに分類されます。
1.頬をリフトアップさせる
グロースファクターにより皮膚のハリを出したり、糸でリフトアップさせる(糸リフト・スレッドリフト)、ヒアルロン酸によるリフトアップ、高周波・超音波機器などにるリフトアップ治療などがあります。
頬を持ち上げることで法令線への負荷を軽減させる原理です。
ただし、実際は、この方法では法令線の線自体は変化が乏しいこともあります。
なお、特に頬がくぼんでいる方は、上の方から改善していくことで、法令線そのものを治療しなくてもバランスが良くなり、きれいに見えることもあります。
これは人の顔を見る時に、目・頬を中心に見るためで、顔の中央の印象を改善することがインパクトが大きいこととも関係しています。(実例による詳細な説明を見る>>)
2.法令線のハリを出す(グロースファクターによる法令線治療)
グロースファクターを法令線に注射すると頬を治療しなくても法令線のコシができることでシワが改善します。
これが一番本質的かつ確実な方法です。
3.法令線のくぼみを埋める(ヒアルロン酸などのフィラー治療)
法令線の溝の中に詰め物をしてふくらませる治療です。
最も広く行われている治療ですが、吸収されるたびに繰り返し行わないといけないことと、繰り返し行うことで皮膚が壊死する確率が高くなることに注意しないといけません。
注入剤が血管を詰まらせてしまい、鼻の先端への血流が途絶えてしまうことで皮膚が欠損してしまうことがあります。
その他、まれに失明のリスクもあります。(ヒアルロン酸による失明と皮膚壊死の予防法と治療法≫)
また、繰り返し行うということはコスト的な問題もあります。
4.頬の脂肪を減らす(脂肪溶解注射・脂肪吸引)
頬の脂肪を減らすことは、前述の通り、根本的な治療ではありません。
頬のたるみの原因となることで、かえって将来法令線が目立ってしまうことにつながるからです。
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