ヒアルロン酸によるほうれい線治療をご検討中ですか?
ここでは、ヒアルロン酸注入の効果や起こり得る副作用や注意点などを解説いたします。
ぜひ参考にしてみて下さい。
ここでは、次のような疑問にお答えいたします。
目次
ヒアルロン酸によるほうれい線の2つの治療法
直接シワに沿って打つ方法と、周りを引き上げて間接的に改善する方法とがあります。
ほうれい線に直接注入する
シワに沿って注入します。
この場合、針は45度から60度の角度で刺し、引きながら少しずつ注入します。(リニアスレッディング法)
また、血管塞栓を防ぐため小鼻よりも2mm程度離して動脈内に注入して注入します。
鼻横のくぼみは、ファンニング法といって、針を刺した状態から広く打つことで三角状のくぼみを改善することが可能です。
ほうれい線に直接注入する場合投与量の目安は、シワの深さによって異なりますが、片側0.4~1.0cc程度です。
ほうれい線に直接注入して治療した例
頬やこめかみに注入して間接的に持ち上げる方法
次は、ほうれい線以外へ注入して、間接的にほうれい線を目立たなくする方法です。
次のような場所に注入して、ほうれい線を間接的に浅くすることが可能です。
口の中からヒアルロン酸を注入するほうれい線治療はお勧めか?
口の中には常在菌がいます。
注入時に組織内で感染が起こるリスクがありますので、お勧めいたしません。
ほうれい線のヒアルロン酸のダウンタイムは?
ダウンタイムは、内出血次第ですが、通常の内出血であれば、1週間から10日くらいでなくなります。
ただし、体質的に血が出やすい方や止まりにくい方は、長引くこともあります。
1週間は飲酒・運動などを控えていただき、安静に過ごして下さい。
また、腫れはあまり目立たないことが多いですが、内出血がひどく出た場合、血豆のようにふくらみが起こることがあります。
アレルギー反応による腫れ
アレルギー反応により、みみず腫れのような赤い腫れが起こることがごくまれにあります。
上記のような物肉芽腫・異物反応が数週間から数か月(まれに数年後)経ってから起こることがありますが、これは数万件に1件の非常にまれな
数万件に1件の非常にまれな副作用です。
治療法は、手術で取り除くことなどですが、全てを取り除くのは困難なことが多いです。
最終的には色素沈着やキズ跡が残り、年単位で赤みや腫れが再発することもあります。
ほうれい線のヒアルロン酸注入で笑った時のシワは改善できるか?
ヒアルロン酸注入をほうれい線に行うと、笑っていない状態のシワは確実に改善します。
では、笑った時にはどうでしょうか?
ヒアルロン酸は、皮膚自体は変化しません。
あくまでも、皮膚の下に入れることで、持ち上げている状態になります。
そのため、動かすとどうしてもシワが寄ってしまいます。
グロースファクターやPRPであれば、皮膚自体のハリが出るため、笑った時のシワも減ります。
安いヒアルロン酸は何が問題になる?
基本的には、ヒアルロン酸製剤の価格と仕上がりは比例しません。
しかし、安いヒアルロン酸は、製造過程で不純物が混入している割合が多いことが考えられます。
ヒアルロン酸で赤みや肉芽腫(皮膚が赤くもり上がる)といった重く難治性のアレルギーが起こることがあります。
また、ヒアルロン酸製剤も改良により、不純物の割合は減ってはいるもの、完全にゼロというわけではありません。
当院では、比較的安全といわれるアラガン社のジュビダームを使用していますが、それでも「小結節、数珠状小隆起、肉芽種、アレルギー反応/過敏症など」といったリスクが添付文書に記載されています。
それを考えると、できるだけ良質なヒアルロン酸製剤を選ばれることが安全です。
経過について
なじむまでの時間は?
ヒアルロン酸注入直後が仕上がりになります。
ヒアルロン酸は、生体になじみやすい特徴があるので、注入直後にほぼなじんでいます。
ただし、翌日に腫れが見られることがあります。
しかし、こちらは一時的なもので、数日から1週間程度で落ち着くことが多いです。
効果の期間は?どれくらい持つ?
ヒアルロン酸を入れた後は、徐々に吸収されてなくなっていきます。
ヒアルロン酸製剤の種類にもよりますが、半年から2年くらいと幅があります。
ほうれい線には、比較的硬めの製剤(ジュビダームであれば、ボリフトXC、ウルトラXC、ウルトラプラスXC)を使うことが多いため、1年から2年くらい持つことが多いです。
なお、ヒアルロン酸は、徐々に減ってくため、途中で物足りなくなる時期があります。
その時に「なくなった」と感じてしまうことがあります。
ヒアルロン酸の料金は?
なお、当院では、小分けでヒアルロン酸注入を行っていません。
感染防止のために1本使い切りのみになります。
血管塞栓を防ぐために、血管内に指していないか逆流を確認する時に陰圧をかけ場合があるため、どうしても血液が逆流して注射器の中が血液にさらされてしまうためです。(血管塞栓の予防法の詳細>>)
ボトックスとヒアルロン酸の違いは?
ボトックスは、筋肉の動きを抑える注射治療です。
ボトックスはほうれい線の治療には向いていません。
ボトックスを口周りに行うと、動かしづらくなるということと、ほうれい線ができる原因が、頬の皮膚と脂肪の重みをほうれい線のところの皮膚が支えきれないことなので、筋肉に作用するボトックスは、改善しづらいということが理由です。
起こり得る失敗
ヒアルロン酸は、万が一の場合は、ヒアルロン酸溶解注射で溶かすことができますが、まれに以下のようなことが起こり得ます。
医師との患者様との意思疎通がうまくいかなかった場合などもありますが、修正しようがない失敗は起こる心配は基本的にはありません。
注入部位の凹凸
こちらは、硬いヒアルロン酸製剤を浅く注入した場合に起こり得ます。
なお、注入部位が腫れにより一時的に硬く触れることがありますが、この場合は、時間とともに落ち着いてきます。
注入位置のずれ
こちらは、直接ほうれい線に注入する方法以外に間接的に注入する方法が前述のようにあります。
そのため、注入箇所が違うと思われることがあるかもしれません。
また、針の長さなどのも計算して注入するため、ヒアルロン酸が入った箇所と針を刺した場所は必ずしも一致しないこともあります。
左右非対称
人間の顔は骨格も含めて完全に左右対称ということはありません。
また、頬の厚みに違いがあることもあり、それを完全にヒアルロン酸のみで矯正するのは不可能なこともあります。
極端な左右非対称があれば問題ですが、あとは技術的な限界もあり得ます。
内出血がひどく出る
針による施術であるため、内出血を完全にゼロにすることは難しいです。
極力止血を丁寧に行いますが、血が止まりにくいなどの体質がある方は、ひどく内出血がひどく出ることもあり得ます。
また、血豆のようにたまり、長引くこともあり得ます。
しかし、必ず引きますので、こちらは一旦起こった場合は待っていただくしかありません。
ヒアルロン酸によるデメリット・副作用
一般的な副作用として、内出血、痛み、腫れ、違和感、アレルギー(赤みなど)などがあります。
その他、まれな副作用として、失明、皮膚壊死、異物肉芽腫・異物反応(前述)があります。
片側のほうれい線のみを治療することは可能か?
可能です。
ただし、笑った時に左右差があることもあります。
笑っていない状態だけではなく、笑った時の状態も含めて評価する必要があります。
ほうれい線治療の針・ニードルはどのようなものがよいか?
先の尖った通常の針は、内出血が起こりやすく、また細い針は特に血管閉塞による皮膚壊死や失明の原因となります。
一方、カニューラは、先端が丸いため、そのようなリスクは低いと言えます。
ただし、カニューラでも細い物は血管を刺すことがあるので、注意が必要です。
男性のほうれい線治療で注意すべき点とは?
男性だからといって特に気をつけることはありませんが、喫煙歴があったり、紫外線を多く浴びられてきた方は、シワのところが折れ癖になっていることがあります。
そのような場合に、何とかシワをなくそうと多くいれすぎると、血管閉塞または入れすぎによる血管の圧迫による鼻の壊死が起こるリスクが高まるので注意が必要です。
特に注入直後に皮膚が白くなったり、痛みがあったりすると、皮膚壊死が起こる前兆だったりしますので、その時は中断して、場合によっては、皮膚を温めたり、ヒアルロニダーゼ注入により溶かす必要があります。
ヒアルロン酸のサプリでほうれい線は改善する?
ヒアルロン酸を飲んでもそれが全て肌に行き渡るわけではありません。
低分子ヒアルロン酸の内服の研究結果を見ても、顕微鏡レベルでわずかな小ジワが改善した程度なので、費用対効果を考えても、ヒアルロン酸注入の代わりになるとは言えないと考えます。
よろしければ診断ツールをご利用ください
質問に答えていくタイプのツールです。
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次をクリックしていただくと、セルフチェックのページに移動します。
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