注射による切らないリフトアップ治療をご検討中ですか?
注射によるリフトアップ治療にはヒアルロン酸などいくつかの方法があります。
それぞれメリットとデメリットがあります。
例えば、実はジェル状の物質を注入する治療には、「失明のリスク」があります。
これは、血管内に誤って注入されると起こり得ます。
顔の血管はネットワークが豊富なので、目の周り以外への注入でも網膜への血流が遮断されることで起こります。
失明の事故が起こる確率は非常に低いですが、一度失明が起こると、ほぼ100%後遺症が残るので、注意すべきであると考えます。
ここでは、注入治療によるリフトアップ法について解説いたします。
ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
リフトアップ注射の性状による分類
リフトアップ用の注射治療を「液体」か「固体(半固体・ジェル状)」かで分けると、以下の通りになります。
固体・ジェル状の注射のリスク・危険性・副作用
注射によるリフトアップ治療を検討中の方が知っておくべきリスク・危険性・副作用があります。
それは、固体やジェル状の注入治療では、失明や皮膚壊死のリスクがあるということです。
ただし、起こる確率はかなり低いです。
ヒアルロン酸注射後に失明した例の報告が国内外であります。
血管内に注入された場合、血管内を逆行して、網膜への血流が途絶することで、短時間のうちに視力を失うことがあります。
以下の論文は、それぞれ2015年1月までおよび2015年1月から2018年9月の間において、ヒアルロン酸や脂肪注入などのフィラー注入後に起こった失明の事例をまとめたものです。
Aesthet Surg J. 2019 May 16;39(6):662-674.
Dermatol Surg. 2015 Oct;41(10):1097-117.
2015年1月までおよび2015年1月から2018年9月の間では、それぞれ98例と48例の症例報告がありました。
ヒアルロン酸・脂肪注入による皮膚の壊死について
非常にまれで1万件に1回以下の確率で起こると言われています。
ただし、国内の報告では、1/5000の確率で起こったというものや、また、海外の報告では、10.7%の確率で生じたという報告もあります。
①血管内に注入したヒアルロン酸や脂肪が詰まる、②腫れなどにより血管を圧迫することで間接的に血流が途絶えることで起こります。
鼻などへの注射で起こりやすいですが、鼻に注入した場合以外にほうれい線に注入して起こったという報告もあります。
ヒアルロン酸による皮膚壊死の初期症状としては、色が一瞬白くなる(その後、濃くなってくような変化がある)、腫れ、痛みなどがあります。
血管の塞栓を防ぐための方法
以下があります。
- ゆっくり注入する
- 25G以上のカニューラを使用すること(ただし完全に防げるわけではなく、27Gdだと血管を刺すこともある)
- 注入量を最小限にする
- 注入時に針を移動させる
- 注入の追加は0.1ml 以内にする小さいシリンジを使用する
- エピネフリン入りのフィラーを使用する
- 太い血管を圧迫してつぶしながら注入する
※逆流を確認することは確実ではないと言われています(フィラーの粘稠度により逆流確認が難しいことと血管が陰圧でつぶれるため)(参考文献>>)
リフトアップ注射の効果を発揮するメカニズムによる分類
主に、①筋肉の動きを抑える、②ボリュームを出す(中に詰め物をする)、③皮膚のハリを出すという分類が可能です。
③の方法でのみ肌質の改善が起こります。
リフトアップの注射を作用機序別で分類すると、以下の通りになります。
筋肉の動きを抑える
ボトックス
ボトックスは、筋肉の動きを弱めることで、シワを減らしたり、エラを小さくする作用があります。
その他、筋肉の力を弱めない程度の少ない量を広く浅く打つことで、小ジワ改善効果が期待できるマイクロボトックスという方法があります。
ボリュームを出す
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、ジェル状(半固体)の物質の注入によりシワやたるんだ皮膚を持ちあげることでリフトアップ効果を発揮します。
脂肪注入
脂肪注入は、太ももなどから採取した脂肪(固体)の注入によるリフトアップ方法です。
PRP
PRPは、血液を採取し、加工して注入します。
最終的には、皮膚のコラーゲンを増やす働きがあります。
グロースファクター
グロースファクターは、元々皮膚にあるタンパク質の一種です。
体のどこかから採取する必要はありません。
こちらも皮膚のコラーゲンを増やす効果があります。
リフトアップ注射の即効性による分類
即効性がある順番としては次の通りです。
- ヒアルロン酸・・・すぐに効果が分かる
- ボトックス・・・数日後に効果が出る
- 脂肪注入・・・腫れと吸収が治まった2~3か月後に効果が分かる
- PRP・グロースファクター・・・数週間後から徐々に効果が実感できることもあるが、最終結果が出るのは半年後くらい
リフトアップ注射の効果の持続期間による分類
効果の持続期間の目安は次の通りです。
- ヒアルロン酸・・・半年~2年で吸収されるが、効果がなくなり出すのはもっと早いこともある。あるいはダマになって何年も残ることもある。
- ボトックス・・・4~6か月くらいで効果が切れる。
- 脂肪注入・・・一度定着したものは長期維持される。
- PRP・・・1回の効果は少ないため、1回のみの治療だと数か月から1年くらいすると自然な老化により効果が切れたように見えることも多いが、実際はそれ以上維持される。
- グロースファクター・・・一度改善した後は長期維持される
リフトアップ注射のダウンタイムについて
ダウンタイムは、内出血次第のところがあります。
内出血は、血が出やすい・止まりにくい場合は長引くこともありますが、1週間から10日くらいのことが多いです。
中で血が溜まった場合は、数か月くらい長引くこともあります。
腫れに関しては次の通りです。
- ヒアルロン酸・・・ヒアルロン酸注入直後よりも1日後くらいに腫れが起こることがあるが、通常は数日くらいで治まることが多い。(ヒアルロン酸注射の副作用・リスク・危険性について>>)
- ボトックス・・・腫れはほとんどなし
- 脂肪注入・・・数日~数週間腫れる。
- PRP・・・腫れが数日出る。
- グロースファクター・・・腫れはほとんどなし
リフトアップ可能な部位の違い
頬 | ほうれい線 | フェイスライン | |
ヒアルロン酸 | 〇 | 〇 | △(糸リフトなどと組み合わせることが多い) |
ボトックス | × | × | × |
脂肪注入 | 〇 | 〇 | △(フェイスリフトと組み合わせることが多い) |
PRP | 〇 | 〇 | 〇 |
グロースファクター | 〇 | 〇 | 〇 |
ボトックスは、①エラを小さくする、②口角を下げる筋肉の動きを抑えてへの字口を改善、③広く浅く注入(マイクロボトックス)して毛穴を改善する治療を行います。(シワ改善がメインで、リフトアップ効果はあまりありません。)
各部位のリフトアップ治療(照射治療や糸リフト治療、フェイスリルトとの比較)については、以下をご覧下さい。
頬のリフトアップ治療>>
フェイスラインのリフトアップ>>
ほうれい線のリフトアップ>>
リフトアップ注射の費用の違い
注入範囲によって料金は異なりますが、ほうれい線を例に取って比較してみます。
以下、1回の料金です。
- ヒアルロン酸・・・数万円~10万円前後(相場)
- 脂肪注入・・・10万円~30万円前後(相場)
- PRP・・・10万円~20万円前後(相場)
- グロースファクター・・・186,000円(当院)
リフトアップ注射の長期的費用の違い
ほうれい線のリフトアップを5年、10年維持する場合の費用を例に取ってみます。
なお、ヒアルロン酸は、1回10万円の治療を2年ごとに施術を行うとして計算しています。
PRPは1回15万円の治療を3回行い、5年後以降に1回追加治療するとします。
グロースファクターは、1回の治療で十分な改善が得られた場合と初回料金の半額で追加治療を半年後に1回行った場合の2つのパターンを考え、ともにその後10年維持されたとして計算しています。(当院のグロースファクターの実際の追加料金は、半額以下の量や範囲に応じた料金で行っております)
初回治療 | 5年間の合計費用 | 10年間の合計費用 | |
ヒアルロン酸 | 10万円 | 20万円 | 50万円 |
脂肪注入 | 10万円~30万円 | 10万円~30万円 | 10万円~30万円 |
PRP | 15万円 | 45万円 | 60万円 |
グロースファクター | 18.6万円 | 18.6万円~27.9万円 | 18.6万円~27.9万円 |
上記をグラフにすると以下の通りです。(費用は中央値を採用)
繰り返しが必要な治療の場合、10年くらいの長期で見ると、総額が高くなります。
リフトアップ注射のリスク・危険性・副作用の違い
まとめると以下のようになります。
失明・皮膚壊死のリスク | しこりのリスク | |
ヒアルロン酸 | あり(非常にまれ) | リスクあり |
脂肪注入 | あり(非常にまれ) | リスクあり |
PRP | なし | 過量投与などでまれにあり |
グロースファクター(当院) | なし | 当院では正しい方法で行えば経験上しこりにならないことが分かっています |
ヒアルロン酸注射の危険性・リスク・副作用の詳細>>
グロースファクターの危険性・リスク・副作用の詳細>>
各リフトアップ注射治療の違いについて
脂肪注入
・肌質の変化の違い・・・グロースファクターは肌質が改善するが、脂肪注入は改善しない。
・腫れの違い・・・グロースファクターは腫れにくいが脂肪注入は比較的腫れやすい。
・採取部の有無の違い・・・グロースファクターは体の他の部位を傷つける必要はないが、脂肪注入は太ももから脂肪吸引が必要。
グロースファクターと脂肪注入との違い
ヒアルロン酸
・肌質の変化の違い・・・グロースファクターは肌質が改善するが、ヒアルロン酸は改善しない。
・持続性の違い・・・グロースファクターは持続性があるがヒアルロン酸はやがて吸収される。
・仕上がりの自然さの違い・・・グロースファクターは仕上がりが自然なことが多いが、ヒアルロン酸は入れすぎると顔が不自然に膨らんで見えることもある。
また、非常にまれなリスクとして、脂肪注入・ヒアルロン酸のような固体・半固体を注入すると、網膜への血管を詰まらせることによる失明のリスクがあります。
グロースファクターとヒアルロン酸との違い
PRP
PRPは、血液を加工して注射する方法です。
こちらは、液体なので、ヒアルロン酸や脂肪注入のような失明のリスクはありません。
PRPもグロースファクターと同様にコラーゲンを増やす治療法ですが、1回の効果が弱いので、様子を見ながら繰り返し打つ必要があります。
コラーゲンの増やし方の調整が難しいため、効果を出そうとするあまり、膨らみ過ぎやしこりのリスクもあります。
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