あなたは、「正しいほうれい線ケアでシワをきれいにしたい・・・」と思っているのではないでしょうか?
しかし、ネット情報を見ると、多くの玉石混交のケア方法が出てくるばかりで、途方に暮れますよね。
実際によく患者様から「このほうれい線のケア方法はどうなのでしょうか?」と質問を受けます。
ここでは、ほうれい線ケアの中で、美容医学的な観点から、効果があるものとないものについて考察してみました。
ぜひ参考にしてみて下さい。
「ほうれい線 ケア」でgoogle検索してみると・・・
実際に出てきた情報をピックアップ
「ほうれい線 ケア」で検索すると、多くの情報が出てきます。(実際の検索結果>>)
上位3ページ内にある情報だけでも以下のケア方法があります。(2021.5.15の検索結果)
なお、「お勧め度」を★で評価しています。
マッサージ
- フェイスマッサージ★★
- 頭皮マッサージ★
- リガメントほぐし★
- 僧帽筋をマッサージやストレッチでほぐす★
- 強いマッサージは行わない★★★
顔の筋トレ
- 表情筋を鍛える★★
- 唇を締め、常にハリのある状態をキープ★
スキンケア
- 蒸しタオル★★
- クリームによる保湿★
- メイクや汚れをきちんと“落とす”★
クリーム・美容液
- コラーゲン入りの美容液★
- 肌のハリにアプローチする成分を含む美容液★
器具を使った方法
- 棒状の器具をコメカミなどに押し当て、血流を改善する★
生活習慣
- 紫外線対策★★★★★
- 左右の歯でよく噛む★
- 甘いお菓子を食べ過ぎないようにする★★★★★
- 長時間のスマートフォンの使用を避ける★
「ほうれい線 ケア」でgoogle画像検索した結果
ビフォーアフターで厳密に同じ条件で撮影されたビフォーアフターは出てきませんでした。(光の加減が違うビフォーアフター画像で、「改善した」というものはいくつかありました。)
続いて、各ほうれい線ケアについて解説いたします。
マッサージ
強めのマッサージはNG
まず、「強いマッサージは行わない」ということは、マッサージにより摩擦で肝斑が悪化したり、色素沈着ができたりすることを防ぐという意味では重要です。
ほうれい線部にシミ・くすみがあると、特に暗めの場所(電車の窓や洗面所など)でシワが深く見える原因となります。
特にリガメントほぐしといった強めのマッサージは注意が必要です。
シミとシワの関係【暗い場所でのシミ・くすみの注意点】
マッサージでほうれい線が浅くなる理由は?
頭皮・僧帽筋・フェイスマッサージは、マッサージをする過程でリンパの流れが改善し、頬中央のむくみが取れ、ほうれい線が浅く見える効果は期待できます。
その理由は、ほうれい線の影が減るからです。
ただし、これは一時的なものです。
一晩経てば、水分は元に戻ります。
また、皮膚のコラーゲン自体が増えるわけではありません。
ほうれい線にできる影への5つの対処法【形成外科専門医が解説】
リガメント(顔のじん帯)をほぐすとどうなる?
顔には様々なじん帯があります。
それらは、顔の構造を維持する役割があります。
もしじん帯がなければ、皮膚は重みに任せて雪崩のように落ちていきます。
口周りにもいくつかのじん帯がありますが、これらがほうれい線の原因になっているわけではなく、まして凝っているわけではありません。
ただし、これらの周囲のリンパの流れを改善して、むくみを取るという意義はあります。
注意点として、リガメントほぐしは「強めのマッサージ」に該当するため、日常的に繰り返すと、シミ・くすみが増え、かえって「鼻横のくぼみ」が深く見えるようになってしまう可能性があります。
鼻横のシワ、たるみ【マッサージや揉みほぐしでは治らない!】
顔の筋トレ
表情筋を鍛えることでほうれい線は改善するのか?
顔ヨガなどでほうれい線を多少改善させることは可能です。
その原理は、むくみ改善によるものです。
皮膚の若返り効果はありませんが、頬の厚みの影を減らすことで、シワが浅くなったように見えます。
口元のたるみ改善が筋トレでは難しい5つの理由
「唇を締め、常にハリのある状態をキープ」することでほうれい線は改善するか?
口周りの筋肉を緊張させると、頬のふくらみが少しリフトアップします。
それを意識的に維持できるようにトレーニングすると、頬の厚みの影が多少減るので、ほうれい線が浅くなったように見えます。
スキンケア
保湿は有効?
保湿自体は、小ジワの予防に有効です。
ただし、乾燥するということは、洗い過ぎなどの原因もあり、まずそこを解決するのが有効なこともあります。
また、保湿自体にほうれい線効果はほとんどなく、保湿しすぎること(乳液・クリームなどの油分の塗りすぎ)によるデメリットもあります。(詳細はこちら>>)
ほうれい線のお勧めの保湿方法は?【形成外科専門医が解説】
蒸しタオル
蒸しタオルについては、目元に対しては、やってみる価値はありあそうですが、ほうれい線の改善となると、難しい可能性が高いです。
なぜなら、それほど皮膚のコラーゲンを増やせるわけではないからです。
蒸しタオルによるクマをなくす方法は有効か?【具体的手順を解説】
メイクや汚れをきちんと“落とす”
こちらは、洗いすぎによる乾燥も考慮しなくてはなりません。
むしろ、メイクなどが多少残っていても害はあまりないので、摩擦によるくすみや表皮の損傷のデメリットの方が大きいと言えます。
ほうれい線の乾燥を防ぐには?【形成外科専門医が解説】
クリーム・美容液
結論から言いますと、市販のクリームや美容液でほうれい線を改善させることは難しいと言ってもよいです。
例えば、「コラーゲン入りの美容液」を塗ったとしても、皮膚のバリアがあるために、皮膚のコラーゲンが増えることはありません。
ただ載せているだけになるため、洗うと全て落ちてしまいます。
また、「肌のハリにアプローチする成分を含む美容液」の中には、多少改善効果が期待できるものがありますが、メラフェードのような医薬品に比べると効果は低く、数年単位の塗布によりシワができるのを予防できるという効果のみになります。
ほうれい線に有効なクリームは? | 二子玉川美容外科クリニック
ほうれい線にニベアは有効か? | 形成外科専門医が解説
器具を使った方法
例えば、「棒状の器具をコメカミなどに押し当て、血流を改善する」といったことは、現実的は難しいです。
これらは要するにマッサージ、つまり、リンパの流れのが改善です。
硬い器具を使うと、摩擦による色素沈着悪化というデメリットもあります。
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生活習慣
紫外線対策は、「皮膚の老化のメカニズム」から考えても最も有用です。
また、「甘いお菓子を食べ過ぎないようにする」ということも、皮膚の糖化を避けるという点で重要です。
ただし、「左右の歯でよく噛む」ことで、ほうれい線が改善するかどうかは、やや疑問があります。
また、「長時間のスマートフォンの使用を控える」というのは、それ自体による若返り効果というよりは、運動や睡眠が妨げられるのを避けるいう時間管理という点で有効だと考えます。
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