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肝斑と他のシミの違い見分け方|見た目の特徴の違いと治療法

 執筆者: 加治佐 卓也
医学博士・形成外科専門医

肝斑は、女性に多いシミの一種ですが、他のシミと見分けにくい場合があります。

シミには、肝斑以外にも様々な種類のものがあります。

それぞれのシミに対して最適な治療法があり、間違っているとシミが悪化する可能性があるので要注意です。

また、せっかく治療をしているのに効果を期待できず、時間とお金の無駄になってしまうこともあります。

今回は、肝斑と他のシミの見分け方や最適な治療法についてわかりやすく解説いたします。

肝斑を「見た目」で見分ける方法

肝斑だと思ったら、違うシミや皮膚がんの可能性もあるので注意が必要です。

実際のシミや皮膚がんの写真と共に、肝斑を見分ける方法について解説します。

肝斑

肝斑は、おでこ、こめかみ、頬骨、上のくちびる、下あごなどに見られることが多く、周囲の皮膚との境界がはっきりしていて、茶褐色です。

左右対称にできる場合もあります。

日光性(老人性)色素斑より、全体的にぼんやりしています。

日光性色素斑

日光性色素斑によるシミの大きさはさまざまで、日光がよく当たる顔や手の甲、腕、背中などに発生します。

色は茶褐色から黒色のことが多いです。

雀卵斑(そばかす)

雀卵斑(そばかす)は、頬、下まぶた、鼻、腕、肩、手の甲などにできる1㎜~5㎜の薄茶色のシミです。

紫外線が当たる場所にできやすいです。

顔全体にできることもあります。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM

後天性真皮メラノサイトーシスは、肝斑とまぎらわしいことがあります。

おでこや頬骨、鼻、上まぶたなどに両側性に発生します。

そばかすより少し大きい直径34㎜のシミで、色は紫褐色から黒褐色です。

皮膚がん

大きいシミや形がいびつなシミは、皮膚がんの可能性もあるので要注意です。

皮膚がんの場合には、色むらがあったり、血が出るなどの症状が出ることもあります。

シミの中に皮膚がんが混ざっている場合もあるので、心配な時には皮膚科に行くようにしましょう。

肝斑とそれ以外のシミを「見た目以外の特徴」で見分ける方法

肝斑と肝斑以外のシミを見た目だけで見分けるのが難しい場合もあります。

それぞれのシミを見た目以外の特徴で見分けると以下のようになります。

肝斑

肝斑は、30代から40代の女性に多く見られるシミです。

肝斑は、摩擦によって皮膚が炎症を起こしやすい頬骨やこめかみの部分に見られることが多いです。

頬骨に沿って左右対称にできているシミは、肝斑を疑います。

通常、肝斑は、まぶたには発生しないといわれています。

日光性色素斑

日光性色素斑は紫外線の刺激で発生するシミで、大きさはさまざまです。

20代から発生することもありますが、中高年以降によくできるシミです。

性別による発生率の差はありません。

雀卵斑(そばかす)

そばかすは、白人に多いシミで、日本人では色が白い方に出やすいといわれています。

思春期に目立つシミで、中高年になると目立たなくなる傾向があります。

肝斑と違い、雀卵斑は子供の頃からできるという特徴があります。

治療しても再発することが多く、紫外線で悪化します。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM

比較的若い女性に発症することが多いです。

肝斑に似ていますが、肝斑は上下のまぶたに発生することはないので、もしまぶたにシミがある時には後天性真皮メラノサイトーシスの可能性があります。

また、後天性真皮メラノサイトーシスは毛の生えている部分にも発生しますが、肝斑はできにくいといわれています。

肝斑に比べて、後天性真皮メラノサイトーシスは症状の変化も少ないです。

肝斑や肝斑以外のシミに対する治療法

それぞれのシミに最適な治療法を行えば治療効果を期待できますが、間違っていると効果が出ないだけでなく副作用が出ることもあるので注意が必要です。

肝斑や肝斑以外のシミに対する治療法を紹介します。

肝斑

肝斑の治療法には、自宅でできるものとクリニックで行うものがあります。

自宅でできる治療法には、トランシーノの内服があります。

トランシーノは、シミの原因となるメラニンの生成を防ぐので肝斑を改善するといわれています。

1回2錠、12回の内服を続けると、2か月くらいで改善を期待できます。

通販でも購入でき、1か月分の費用は約3000円です。

肝斑に対してクリニックで行う治療法には、ビタミンC・ビタミンEトラネキサム酸の内服、トレチノインハイドロキノン軟膏の塗布、レーザートーニングイオン導入エレクトロポレーションケミカルピーリングなどがあります。

当院では、トレチノインとハイドロキノンが含まれるメラフェードという塗り薬をお勧めしています。

レーザートーニング

レーザートーニングは、週に12回程度のペースで35回以上のレーザー照射を行い、徐々にシミを改善していく治療法です。

治療費用はクリニックによって異なりますが、約12万円で行っていることが多いです。

イオン導入

イオン導入は、弱い電流を流しながらトラネキサム酸やビタミンCを皮膚に浸透させる治療法です。

イオン導入は、とてもマイルドな治療法で週1回から月1回程度の治療を行い、改善するまで様子を見ながら繰り返します。

治療費用は数千円から2万円とさまざまです。

エレクトロポレーション

エレクトロポレーションは、イオン導入に似た治療法で、治療回数や費用もイオン導入と同じ程度のことが多いです。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、酸を含む薬剤を皮膚に塗って、皮膚の再生を促す治療法です。

肝斑に対しては、月1回くらいのペースで皮膚の様子を見ながら行い、治療費用は13万円前後のことが多いです。

それぞれの治療法は、副作用や効果の出かた、費用などが異なるので事前に担当医とよく相談するようにしましょう。

日光性色素斑

日光性色素斑の原因は紫外線なので、日頃から紫外線対策が大切です。

日焼け止めや日傘、帽子などで紫外線を防ぎましょう。

また、ビタミンACEを多く含む野菜や果物を積極的にとると、紫外線によるダメージから皮膚を守ることができます。

日光性色素斑に対する治療法には、トレチノインハイドロキノンの外用薬、レーザー治療、フォトフェイシャルなどがあります。

雀卵斑(そばかす)

雀卵斑には、フォトフェイシャルが最も適しています。

数か月単位の時間はかかりますが、トレチノイン、ハイドロキノンによる軟膏治療も有効です。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM

後天性真皮メラノサイトーシスには、レーザー治療(Qスイッチレーザーピコレーザー)が有効です。

ただし、肝斑やそばかすとまぎらわしいことや他のシミと混在していることがあるので、治療前に適切に診断してもらう必要があります。

肝斑か他のシミかわからない時に気を付けるべきこと

肝斑は、他のシミと混ざっていたり、他のシミとの鑑別が難しい場合があります。

肝斑か他のシミかわからない時に気を付けるべきことについて解説いたします。

顔の皮膚をこすらないように気を付ける

摩擦による炎症で肝斑は悪化するといわれているので、洗顔やメイクの時に顔をこすらないように気を付けましょう。

肝斑は、頬にわずかにでも混ざっていることが多いです。

定期的にマッサージをしている方や洗顔やメイクの時に顔をごしごしこすってしまう方は、もしかしたら知らない間に肝斑を悪化させてしまっているかもしれません。

化粧水やクリームを塗る時も、皮膚に負担をかけないようにするとよいです。

医療機関できちんとした診断を受ける

色の濃いシミや形がいびつなシミ、色むらがあるシミは、皮膚がんの可能性がないか、一度調べてもらうとよいもしれません。

シミの中に皮膚がんが混ざっていることもあるので、疑わしい時には早めに医療機関を受診しましょう。

また、治療効果を高めるためにも、医療機関でどのようなシミが発生しているか適切に診断してもらうことが大切です。

紫外線対策を行う

紫外線は、さまざまなシミの原因になります。

日光のシミ・肝斑のいずれも紫外線で悪化します。

日焼け止めや帽子、日傘などで紫外線を防ぐことが大切です。

まずトレチノイン・ハイドロキノンで治療してみる

トレチノインとハイドロキノンは、肝斑や日光によるシミを含め、多くの種類のシミを治療できます。

また、シミ以外に、ニキビや小じわ毛穴の改善も期待できます。

自宅で簡単にできる治療法なので、まずトレチノイン・ハイドロキノンで治療をしてみるのも1つの方法です。

まとめ

肝斑は、日光性色素斑や後天性真皮メラノサイトーシスなどの他のシミと鑑別が難しいことがあります。

また、他のシミと混在している場合もあります。

医師の適切な診断を受けてから治療を開始した方が、治療効果を期待できるだけでなく、費用や時間の無駄になりません。

肝斑か他のシミはわからない時には、自宅でできる対策を試してみるのも1つの方法です。

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