ベビーコラーゲン注入を検討中ですか?
コラーゲンは、皮膚の主成分であり、皮膚になじみやすい性質があります。
また、仕上がりの質感も自然で、目の下など皮膚の薄い場所に適しています。
ここでは、ベビーコラーゲンの効果や副作用・デメリット・ダウンタイム・ヒアルロン酸との違いなどについて解説いたします。
ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
ベビーコラーゲンとは
年齢とともに減ってくる皮膚のコラーゲンのうち、Ⅲ型コラーゲンを多く含んだコラーゲンの注射治療です。
Ⅲ型コラーゲンが減ってくると、皮膚のしなやかさが失われ、例えばマスクの跡がいつまでも顔に残りやすくなったりします。
原料について
培養されたヒト線維芽細胞により作られたコラーゲンが原料です。
その他、ヒトの胎盤(プラセンタ)由来のものもあります。
ヒューマラジェン(Humallagen 5%ヒト由来コラーゲン製剤 Myco Science社,米国)には、Ⅲ型コラーゲンが50%(その他Ⅰ型コラーゲン50% )含まれます。
コラーゲンとは
人の身体の中にあるコラーゲンの量は25歳をピークに年々減少を続け、40歳頃にはピーク時の約半分に、60歳では約1/3まで減ります。
馴染むまでの期間は?
比較的すぐになじみます。
その理由は、ベビーコラーゲンは皮膚のコラーゲンとの親和性が高いためです。
副作用について
アレルギー
かつてベビーコラーゲンではないコラーゲン注射は、牛などから抽出した動物由来のコラーゲンで、アレルギーが出る確率は比較的高めでした。
一方、ベビーコラーゲンはヒト由来の成分であるため、パッチテストは不要です。
アレルギーが起こる確率は低いです。
しこり
一か所に多く注入されるとしこりになります。
特に真皮内に浅くある程度の量が注入された場合、しこりになることがあります。
デメリットについて
料金が割高
他の注入剤と比較して少し高価であるという点があります。
目元の小ジワや軽度のくぼみが主な適応になりますが、深いくぼみや目の下の重度のたるみなどには向いていません。
また、赤クマを完全に改善させるには、経結膜脱脂法が最も向いていますが、ベビーコラーゲンでは多少色が透けて見えづらくなるもの、経結膜脱脂法には及びません。
その他、茶クマにも効果はありません。
色が白く透けて見えることがある
浅く注入された場合、ベビーコラーゲン自体の色が透けて見えることがあります。
特に皮膚が薄い方や皮膚の色が白い方は注意が必要です。
目の下や首などの皮膚が薄い場所で浅く注入する場合も要注意です。
失敗した場合に溶かせない
ベビーコラーゲンはヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)のような溶かす注射がありません。
そのため、万が一失敗した場合には、吸収されるまで半年~1年待っていただく必要があります。
失敗を避けるには?
ベビーコラーゲンの失敗が気になりますよね?
失敗を回避する方法として、以下の注意点が挙げられます。
- 一回の注入で多く入れすぎない。
- 浅く入れすぎない(白く透けて見えるため)。
- 溶解注射がなく、元に戻せないリスクがあることを考え、ヒアルロン酸などの他の治療も検討する。
効果と持続期間について
効果は約6~12か月程度持続します。
こちらは完全に吸収されるまでの期間です。
実際は、約3か月〜半年を経過したあたりで効果の減りを感じられることが多いです。
そのころに2度目の注入を受けられる方が多いです。
ベビーコラーゲンの名医とは?
ベビーコラーゲンの名医の条件としては、以下が考えられます。
①ベビーコラーゲンの施術を数多く行っている(ベビーコラーゲンの症例写真が豊富)
②適応を熟知している(適応がない場合に他の治療法も提案できる)
③結果に再現性がある(ご自分と同じような方の写真がいくつもあり、理想的な仕上がりになっている)
④失敗した場合の対処が可能(うまくいかなかった場合の修正事例も掲載している)
⑤ベビーコラーゲンのまれな危険性・リスク・副作用(失明など)も公開している(+その対処法が万全)
ダウンタイム
ベビーコラーゲンは、腫れはほとんど出ません。
そのため、ダウンタイムに関しては、内出血次第です。
内出血が出た場合、1週間から10日程度で消えますが、期間には個人差があります。
内出血
血管に当たると内出血が起こります。
カニューレを使用することで内出血が起こる確率を下げることができます。
カニューレとは、先端が丸い鈍針です。
「マジックニードル」が代表的な商品名です。
腫れ
腫れはほとんどありません。
ただし、血管の当たり所が悪いと、内出血がひどくなり、血腫によるふくらみが出ることがあります。
コラーゲンに対するブースター効果について
ベビーコラーゲンに含まれるⅢ型コラーゲンの刺激で自分のコラーゲンが増えるという記載をご覧になったことがあるかもしれません。
しかし、ベビーコラーゲン自体によるコラーゲン増殖効果は文献で調べた範囲では確認できませんでした。
すくなくともベビーコラーゲンよるコラーゲンを増やす効果はグロースファクターほどではないと言えます。
「Ⅲ型コラーゲン」の組織再生能力とは
皮膚を怪我した場合、傷が治る過程では、まずⅢ型コラーゲンが作られ、それが徐々に、I型コラーゲンに置き換わっていきます。
水光注射によるコラーゲンブースターとは?
水光注射でベビーコラーゲンとエランセ(コラーゲンを増やす効果がある)を広く浅く注射することで、小ジワを改善するとともに、コラーゲンを増やすが期待できます。
ベビーコラーゲン自体は吸収されてなくなりますが、増えたコラーゲンは長期維持されます。
ただし、文献を見る限り、コラーゲンの増え方をコントロールするのは難しい可能性があります。
コラーゲンが増えすぎると、重みが増すことでかえってたるみが悪化するリスクもあります。
傷跡への適応
キズ跡のくぼみに対してベビーコラーゲンの適応がある場合があります。
ただし、底が硬い場合はあまり変化しないこともあります。
ベビーコラーゲンとヒアルロン酸との違いは?
違い① チンダル現象の有無について
ベビーコラーゲンは、皮膚の薄い場所(目の下)などに注入するのに適しています。
仕上がりも自然です。
一方、ヒアルロン酸を目の下に浅く入れると、青白く見えることがあります。(目の下へのヒアルロン酸注入のリスク>>)
違い② ボリュームの出しやすさについて
また、頬のリフトアップさせたりするのには、ヒアルロン酸が向いています。
保水性や粘弾性が高く、ボリュームを出しやすいためです。
ヒアルロン酸でボリュームを出す際は、深めに注射しますが、ベビーコラーゲンを深めに注入しても変化に乏しい可能性が高いです。
ヒアルロン酸は、非常に種類が多く、部位や目的によりボリュームを出しやすい製品や浅めに注入するサラサラした製品など、様々な選択肢があります。(ヒアルロン酸の種類について>>)
違い③ 腫れについて
ヒアルロン酸は水分を引き付ける性質があるため、注入後に数日腫れが出るという副作用があります。
ベビーコラーゲンにはそのような性質はありません。
違い④ 減り方について
ベビーコラーゲンは、時間に比例して待ったなしで減っていきます。
一方、ヒアルロン酸の減り方は、種類にもよりますが、特に架橋の多いヒアルロン酸は、しばらくは維持されます。
例えば、ベビーコラーゲンとジュビダームボリューマ(約2年持つ)の3か月間の減り方を比較した研究結果は、以下の通りでした。(参考文献>>)
- ベビーコラーゲン・・・3か月後の残存は約20%
- ジュビダームボリューマ・・・3か月後に約100%残存
このように分解速度が違う原因の一つとしては、ベビーコラーゲンの粒子の形状が不規則なため、皮膚のコラーゲン分解酵素(コラゲナーゼ)と触れる表面積が多いことが考えられています。
グロースファクターとベビーコラーゲンの違いは?
グロースファクターとの違いは以下の通りです。
- コラーゲンを増やす効果:グロースファクター>ベビーコラーゲン
- 失明・皮膚壊死のリスクの有無:グロースファクターではないが、ベビーコラーゲンはある
- 効果の持続期間:グロースファクターは何年も維持されるが、ベビーコラーゲンは半年から1年くらい
ベビーコラーゲン注入後にグロースファクターを受けたい場合はどうすればよいか?
ベビーコラーゲンが入っている状態ではグロースファクターは控えた方がよいです。
そのため、注入後1年以降まで待っていただく必要があります。
化粧品のベビーコラーゲンとの違いは?
ベビーコラーゲンに含まれるコラーゲンは分子量は大きいため、皮膚に塗っても、皮膚のバリアによりほとんど入っていきません。
これはヒアルロン酸でも同じです。
基本的には化粧品のベビーコラーゲンは、皮膚に載せているだけになります。
そのため、洗うとほぼ流れ落ちてしまいます。
ただし、塗った時には一時的ですが、潤い感が得られます。
基本的には保湿効果しかないと言えます。
ベビーコラーゲンのサプリについて
コラーゲンは口から摂取すると、最終的にはアミノ酸に分解されます。
これは、肉や魚のタンパク質でも同じです。
肉や魚を多く食べてもシワがなくなったりはしないのと同じで、ベビーコラーゲンをサプリメントと摂取してもシワの改善はほとんど期待できません。
コラーゲンペプチドのサプリメントの摂取によりシワ改善効果があるという論文がありますが、実際の例を見ると、かなり拡大してようやく分かるくらいの小ジワレベルの改善になります。
実際のその程度の変化は、気候や体調の変化でも起こり得ます。
凸凹 について
一か所に多く注入されてしまうと凹凸が生じることがあります。
そのため、注入直後に指でならしたりします。
また、ベビーコラーゲンに含まれる水分は、注入直後に抜けてしまいます。
そのため、それを計算して、やや多めに注入することがあります。
しかし、逆にそれが裏目に出て、凹凸が生じることもあります。
ベビーコラーゲンの料金・相場について
安いベビーコラーゲンには注意
ベビーコラーゲンのメニューで、0.1ccごとの料金設定をしているクリニックでは、複数の患者様の間でベビーコラーゲンの使いまわしをしていることもあると言われています。
HIVや肝炎ウイルスなどの感染のリスクがゼロではないため、気を付ける必要があります。
ベビーコラーゲン施術後の献血について
ヒト由来のコラーゲンのため、献血ができなくなります。
未知のウイルスへの感染のリスクが否定できないためです。