ボトックスをご検討中ですか?
ボトックスは、筋肉の動きを抑えることでシワを改善したり、エラのハリの改善や脇汗を減らしたりする効果があります。
ここでは、ボトックスの効果や危険性・リスク・副作用について解説いたします。
目次
ボトックスとは
成分
ボトックスはもともとボツリヌス毒素というもので、A型ボツリヌス毒素といいます。
毒素といっても、天然のたんぱく質からできた毒素を分解・精製したもので、ボツリヌス菌そのものは含まれません。
ボトックスは安全?
ボトックスはあらかじめ量を調節された人体に無害なもので、注射した部分から全体に広がることはなく、全身に影響を及ぼすことはありません。
効果は注射した半径1cm程度にとどまり、最終的には体内で分解されるため心配はありません。
当院で使用しているボトックス製剤について
「ボトックスビスタ®」は国内で眉間の表情ジワの治療に用いられるボツリヌス治療薬として、製造販売承認を受けている医療用医薬品です。
これまで全世界で30年以上も使われており、安全性には問題ないと考えます。
そもそもボトックスとは、米国アラガン社の登録商標(「BOTOX®」、「BOTOX VISTA®」)です。
日本では2009年に厚生労働省によって製造販売が承認されました。
それ以外のボツリヌス毒素を使った治療は、実は「ボトックス治療」とは呼べません。
韓国製のものは、安価(半額程度)ですが、質の問題を考えると、アラガン社のボトックスがお勧めです。
ボトックスの効果
効果が出る時期と持続期間
通常2~3日後から効果が現れます。
2~3週間で効果が最大となります。
3~4か月程度持続した後、数週間かけて徐々に効果がなくなってきます。
6か月以内に効果はなくなります。
治療部位について
ボトックスによる表情ジワ治療
「ボトックス」は筋肉の力を抑える作用があります。
シワの原因となる筋肉の動きを弱めることで、「シワをできにくくする」ことができ、若々しい印象を作ります。
ボトックスでは以下の部位の治療が可能です。
額のシワ | 眉を上げたり、上を見上げようとする時にできる横ジワ |
眉間のシワ | 顔をしかめた時にできる縦ジワ |
鼻根部のシワ | 笑った時や顔をしかめた時にできる鼻の付け根の横ジワ |
目尻のシワ | “からすの足跡”と言われる、笑った時にできる横ジワ |
アゴのシワ | 口をしかめた時にできる梅干ジワ |
ガミースマイル | 笑った時に歯茎が出る方 |
多汗症・わきが治療 | 汗の分泌を増加させる神経伝達物質のアセチルコリンを抑制する作用によって汗の量や臭いを抑えます。 |
エラ治療 | エラの筋肉(咬筋)を減らし、小顔効果が得られます。 |
シワができる原因は?
シワができる原因は何でしょうか?
原因は、皮膚の老化や筋肉の動きがあります。
筋肉の動きにより同じ場所に何度も折り目が付くと、やがて癖ができてしまうことがあります。
いちど「折れ癖」ができると、いざ治療しようとしても、なかなか消えなくなることがあります。
そのため早めの治療がお勧めです。
関連記事です。
よろしければご覧ください。
【よくあるご質問】グロースファクターは、今やっておけば10年後かなり違いますか?
ボトックスが向かない部位
例えば、ほうれい線やマリオネットラインにはボトックスは向いていません。
ヒアルロン酸注射の方が一般的ですが、当院ではグロースファクターによる治療を受けられる方が多いです。
ボトックスでは顔のリフトアップはできない?
ボトックスは、筋肉の動きを抑え、表情ジワを出にくくする治療法です。
顔のリフトアップを起こすためには、皮膚のたるみを改善する必要があります。
そのため、ボトックス単独でのリフトアップは難しいです。
マイクロボトックスという、広い範囲に微量のボトックスを打つ方法がありますが、それでも皮膚自体が引き締まってたるみが改善されるわけではありません。
グロースファクターとボトックスの併用療法について
眉間などの深いシワをできるだけしっかり治す方法として、グロースファクターによる根本的治療とボトックスによる速効性のある「アイロンがけ」を併用するという方法があります。
グロースファクターのみですと、施術直後にシワを動かすことで、水分が逃げて多少型崩れを起こすことがあります。
速効性があるボトックスにより、それを防ぐことができると考えます。
ボトックスとグロースファクターを同時に受けられた場合、ボトックスの効果は4~6か月くらいで切れ、その頃にグロースファクターによる効果が徐々に明確になってきます。
グロースファクターは、効果が出るのに3~6か月かかり、即効性はあまりありませんが、一度改善した後は、効果は長年持続します。
ボトックスの副作用・リスク・危険性
内出血
程度には個人差があります。
額へのボトックスが効きすぎて目が開きづらくなる
眼瞼下垂がおありの方で、眉毛を上げる癖がある方の場合、まぶたが重くなることがあります。
表情が固くなる
筋肉が動かしづらくなるため、うまく表情が作れず、不自然な印象になることがあります。
頻度の低い副作用
重い副作用としては、以下のものがあります。
- 呼吸障害(0.02%)
- アナフィラキシーショック(頻度不明)
- 血清病(頻度不明)
- 眼障害(頻度不明)
- 重篤な角膜露出・角膜潰瘍・角膜穿孔(頻度不明)
- 嚥下障害(頻度不明)
- 痙攣発作(頻度不明)
その他の頻度の低い副作用
【よくあるご質問】ボトックスが全身に作用してしまうこと(全身の筋力低下など)はありえますか?≫
痛みについて
麻酔クリーム塗布後に冷やしながら細い針で注射をしますので、あまり痛みはないと思います。(多少チクチクした感じはあります)
治療後の過ごし方について
治療後は、注射部位をマッサージしないようにしてください。(注射した液体が広がりすぎて思わぬ部位に作用しないようにするため。特に眉間の場合は、拡散して目に作用すると、眼瞼下垂などの症状が出ることがあるので、注意が必要です。)
1時間後には、メイクをすることもできます。
通常の日常生活には制限はありません。
飲酒・運動・サウナ・温泉など体が温まるようなことは、1週間程度控えて下さい。(内出血の予防)
一度ボトックスを打ってしまうと、数か月は効果がなくなるまで待つしかありません。
投与後に脱力感、筋力低下、めまい、視力低下があらわれることがあるため、車の運転等はお控え下さい。
ボトックスが受けられない方
絶対的禁忌
- 重症筋無力症、ランバート・イートン症候群筋、筋萎縮性側索硬化症などの神経疾患がおありの方
- 妊娠している方や妊娠している可能性がある方
- ボツリヌストキシン製剤で過敏症の既往のある者
- その他の類似製剤(ボツリヌストキシン製剤)による治療を受けている者(副作用のリスクが上がるため)
相対的禁忌
- 筋弛緩剤および筋弛緩作用を有する薬剤を投与中の方
- 慢性呼吸障害がある方
- 重篤な筋力低下・萎縮がある方
- 閉塞隅角緑内障がある方やその素因(狭隅角など)のある方
ボトックスの注意点
体質的に効果が出ないことがある
ごくまれに最初から効果がない方がいます(一次耐性)。
繰り返し打つことで効かなくなってくることがある
また、何度も治療をするうちに、抗体が体内で産生されるために徐々に効かなくなってくる方もいます(二次耐性)。
抗体の産生を防止するに、頻回の施術は控えることをお勧めいたします。(治療の間隔を3か月以上空ける)
ごくまれに抗体は1回の治療でできてしまうこともあります。
その場合は、他のボツリヌス毒素の製剤に変えればよいです。
折れ癖は完全には治らないことがある
深くなりすぎたシワは完全には改善しないことがあります。
料金について
料金については、こちらをご覧下さい。
よろしければ診断ツールをご利用ください
質問に答えていくタイプのツールです。
あなたの目の下のたるみ・クマやお顔のシワ・たるみの種類や状態、さらに適切な治療法が分かります。
次をクリックしていただくと、セルフチェックのページに移動します。
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