目の下のクマや顔のリフトアップ治療に対して脂肪注入をご検討中ですか?
「脂肪注入とグロースファクターの違いは何でしょうか?」というご質問を時々いただきます。
当院でも以前は脂肪注入を行っていましたが、グロースファクターの方がデメリットが少ないため、現在はグロースファクターのみを行っております。
ここでは、脂肪注入とグロースファクターの違いについて解説いたします。
目次
脂肪注入の概要
脱脂+脂肪注入を目の下のクマ治療・顔のリフトアップ治療で行っているクリニックは非常に多いです。
脂肪注入は、フィルターなどの違いによりいくつかの方法がありますが、基本的には、太ももなどから脂肪吸引で採取して、注射器で注入するという方法になります。
グロースファクターはクリニックにより詳細が異なる=結果も異なる
グロースファクターは、クリニックにより詳細が異なることが多いです。
当院のグロースファクターは、当院のグロースファクターは、他院様とは異なる濃度設定、配合のものを使用しています。
薬学部にも在籍したことがある前院長の田島医師が開発したものになります。
また、注射治療も含めて異なります。
同じ薬剤でも、注射方法によって結果が異なってきます。
1回で仕上げることが重要な理由
当院では、1回でほぼ理想の状態に仕上げるようなグロースファクターの注射方法を確立して参りました。
他院様のPRPやグロースファクター、培養線維芽細胞注入では、複数回を様子を見ながら注射することが多いです。
このような皮膚のコラーゲンを増やすような治療で1回で仕上げるメリットは、注入範囲や時間的なばらつきをなくし、均一にバランスよく仕上げることができることです。
複数回で仕上げると、注入範囲や時間差により、効果の重複やムラが生じることで、凹凸やふくらみすぎが起こりやすくなると考えます。
グロースファクターの方が脂肪注入よりもお勧めできる理由
当院でも以前は脂肪注入を取り扱っておりましたが、 現在はグロースファクターしか取り扱っていません。
それは、グロースファクターの方が、複数の点で優れていると考えるからです。
グロースファクターの方が脂肪注入よりもが優れていると考える理由としては以下の通りです。
失明のリスクがない
脂肪注入は固体であるため、ごくまれに誤って血管内に入ることで、網膜への血管を詰まらせ、比較的即座に失明が起こるという報告があります。
脂肪吸引のように体の他の部位を傷つける必要がない
グロースファクターは、元々体にあるタンパク質と同じ成分の「薬剤」であるため、採取は不要です。
治療結果に再現性がある
一般的に、脂肪注入は定着率にばらつきがあります。
つまり、一部が徐々に吸収されてボリュームがもの足りなくなることもあります。
そのために、それを見越して多めに入れることもありますが、逆に裏目に出て凹凸が出ることもあります。
当院のグロースファクターでは、ねらった範囲や仕上がりに再現性があります。
ただし、20%の割合で追加投与を受けられる方がいらっしゃいますが、全く変わらないということは通常ありません。また、追加を受けられるかどうかは、仕上がりをどこまで求めるかにもよります。
簡単に追加治療ができる
脂肪注入は、全てが定着するとは限らないため、くぼみが残ることがあります。その場合、再度脂肪吸引が必要となります。グロースファクターの場合は、追加を受けられる際は、他の部位を傷つけることなく、簡単に追加治療ができます。
しこりにならない
ただしこれは当院で適切な方法で行った場合の話で、他院様ではグロースファクターでしこりになったという報告があります。
触った感じが自然
脂肪注入だと何かが入っているような感触がある場合があります。
笑ったときにシワが寄りにくい
グロースファクターでは肌質そのものが改善しますが、脂肪注入では改善しません。
グロースファクターにより治療している部位はコラーゲンが増えているので、シワやたるみが起こりにくくなります。両者の決定的な違いは、皮膚そのものが変わるか否かです。
脂肪注入は、薄くなった皮膚の下に詰め物をするようなイメージです。
肌質は変わりません。
一方、グロースファクターは、ご自分のコラーゲンを増やすように働きかけます。
つまり、ご自身の皮膚を若返らせる効果があります。
皮膚のコラーゲンが増え、ハリが出ることで、くぼみやシワ・たるみが改善します。
皮膚の老化の本質は、”コラーゲンの減少”です。
そこを変えるかどうかがポイントになります。
老化防止効果がある
グロースファクターは若返りだけではなく、今後の老化防止にも役立ちます。
つまり、一度治療されれば10年後が違います。グロースファクターをされた場合、約半年で見た目の若返りが起き、その効果は長期維持されます。
その後、例えば10年たって周りの同年代の方と比較された場合、若返り効果が維持されているのに気づかれると思います。
なお、10年単位で見ると、紫外線を浴びる量や受けるストレスの量などによっては、コラーゲンが減少することはあり得ます。
もし10年~20年経ったとしたら、治療した部位は老化しにくくなるため、治療していない部位の方が先に気になってくると思います。
その場合は、治療していない部位に追加するか、治療部位と未治療部位の境界をぼかすようにグロースファクターを追加するという対処法があります。
一方、脂肪注入は、皮膚そのものは変わらないため、老化への抵抗力はこれまでのままとなります。
体重の増減の影響を受けない
脂肪注入は皮下脂肪なので、太ったときにふくらみが増す可能性があります。
施術直後が腫れない
脂肪注入は比較的腫れが出やすいですが、グロースファクターは腫れはほとんどありません。
・かなり細い針で注射できる。(脂肪注入は固体ですので、グロースファクターより比較的太い針になります。注入部位のキズ跡が残ることもあり、痛みや内出血のリスクも比較的高いと言えます。)
グロースファクターは液体なので、周りとなじみやすく、笑った時も自然
脂肪注入は固体なので、笑った時に脂肪の輪郭が浮き出ることもあります。
触った時の違和感がない
脂肪注入ではしこりになるリスクが一般的にあります。
しかし、グロースファクターでも、しこりになることがあると問題とされることがあります。
実際に、ネットで検索すると、様々なクリニックでグロースファクターあるいは類似の治療が行われています。
当院で用いられているグロースファクターは、薬学部でも学んだことがある前院長の田島医師が開発した独自のものです。
当院の経験上、グロースファクターは正しい方法で行えば、明らかな塊は生じないということが分かっています。
結果が出るまでの期間こそ半年かかりますが、ご本人が触っても分からないほどなじみます。
それは、当院に寄せられた直筆のお手紙をご覧頂ければお分かりになると思います。
グロースファクターは涙袋近くまで入れられる
涙袋の立ち上がりのところは、皮膚が薄いため、脂肪注入を行うと凹凸が目立ちやすくなります。(レディエッセも同様です)
そのため、脱脂+脂肪注入後の場合、涙袋付近がくぼんだ印象になったり、青クマが残ったりしやすい傾向があります。
細い針で注入するため、痛みや内出血がより抑えられる
脂肪注入とグロースファクターの違いとして、注入時の針の太さがあります。
脂肪注入の方が針が太いです。
これは、脂肪注入は固体であるのに対して、グロースファクターは液体であることが関係しています。
したがって、内出血や痛みのコントロールという点では、グロースファクターの方が多少リスクが少ないと言えます。
脂肪注入後の失明・皮膚壊死のリスクについて
脂肪注入後に失明した例の報告が国内外であります。
非常にまれではありますが、血管内に注入された場合、短時間のうちに視力を失うことがあります。
ちなみに、グロースファクターは液体成分ですので、そのようなリスクはありません。
以下の論文は、それぞれ2015年1月までおよび2015年1月から2018年9月の間において、ヒアルロン酸や脂肪注入などのフィラー注入後に起こった失明の事例をまとめたものです。
Aesthet Surg J. 2019 May 16;39(6):662-674.
Dermatol Surg. 2015 Oct;41(10):1097-117.
2015年1月までの間で、47例の脂肪注入による失明が報告されています。
2015年1月から2018年9月の間では、脂肪注入による失明は1例のみです。
目の下以外の離れた部位の注入で失明が起こる理由は、顔の血管はネットワークによりつながっているためです。
以下、全フィラーにおける統計です。
失明が起こった注入部位:
~2015年1月:鼻部(56.3%)、眉間(27.1%)、額(18.8%)、および法令線(14.6%)
2015年1月~2018年9月:眉間(38.8%)、鼻部(25.5%)、法令線(13.3%)、および額(12.2%)
国内における脂肪注入による失明の報告に関しては、日本眼科学会雑誌Vol.111 No.1や日本医事新報4341号.2007にも報告がありますが、いずれも眉間への注入によるものです。
脂肪注入のしこりのリスクについて
脂肪注入はしこりになって残ることがある
脂肪注入は、固くなることがあり、通常の脂肪と感触が異なることがあります。
また、前述の通り、脂肪注入では、皮膚自体は変化しません。
そのため、笑った時や強く表情を作った時に、注入した脂肪の輪郭が浮き出ることがあります。
症例写真:
30代女性 グロースファクターによるクマ治療(他院治療後の修正)
他院様にて目の下のたるみ・クマに対して経結膜脱脂+脂肪注入を受けられた後に、当院にてグロースファクター(目の下、頬)による修正治療を受けられたモニターの方です。
術前・・・他院様で治療前に一度当院にカウンセリングに来られた際のお写真です。
当院再来院時・・・術後1年経って、当院に修正に来られた時のお写真です。
左目の下にはくぼみがありますが、こちらは脂肪注入が定着しなかったためです。
当院再来院時・・・・・・笑った状態の比較です。
左は笑った時に固くなった脂肪が浮き出たり、右側の皮膚はシワが寄っています。
シワが寄っているのは、脂肪注入では皮膚そのものは改善していないため、シワが寄りやすかったりします。
上記のようなことがおこるのは、脂肪注入を最適化するための方法がまだ確立されていないことが原因です。
今後、幹細胞を用いた方法が期待されていますが、安全性の問題が完全にクリアーできてないという現状があります。(Aesthetic Plast Surg. 2017 Aug;41(4):815-831.)
当院のグロースファクターは、経験上、正しい方法ではしこりにならない
当院は玉川田島クリニック時代から20年以上の治療経験を持っています。
これまでの当院の経験上、グロースファクターは正しい方法で行えば、明らかな塊にはならないことが分かっています。
注射によって皮膚のコラーゲンを増やす作用は数か月で終わり、その後永続することは、経験上ありません。
適切な方法で用いれば、ある程度のところで皮膚のハリが出るという目的を達成して、その後はいい状態を長期維持することが経験上分かっています。
当院にてグロースファクター施術後の方の皮膚を超音波で調べたところ、問題なかったという結果も出ています。
グロースファクター後の超音波画像、法令線+目の下のクマ治療 3カ月後の経過
成長因子と呼ばれるものでしこりになったという事例は、他院様などで散見されますが、これはPRPや脂肪注入に併用することで起きることが多いとされています。
このグロースファクターは以前から、前院長が自分に行ったり、周りの者、身内の者にやっているくらいですから、まず安心と言ってもよいかと思います。
最終的な判断は症例写真で
クリニックによって治療方法は異なることが多いです。
また、他院様でグロースファクターと似たような治療法を行っているところもいくつかあります。
最終的には、症例写真を比較検討された後に決断していただくのがよいと思います。
そのため、脱脂+脂肪注入の症例写真で、笑った状態の写真は検索してもあまり出てこないかもしれませんが、前述のように、笑った状態で差が出るので、確認していただくことをお勧めいたします。
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