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  • 目の下のたるみ・クマ

目の下のクマと病気の関係について【形成外科専門医が解説】

 執筆者: 加治佐 卓也
医学博士・形成外科専門医

目の下のクマが関連している病気が何か知りたいですか?

目の下のクマは、ほとんどが目の下のたるみ、つまりいわゆる黒クマのことが多いです。

中等度 ふくらみドーム状 黒クマ
【黒クマの例】

黒クマの多くは、病気ではなく、目の下の脂肪を包んでいる膜や皮膚のたるみが生じることにより起こります。

汗管腫(目の下の小さいプツプツ)があると、光の加減で目の下が暗く見えることがあります。

 

その他、赤クマは、目の下の脂肪が多めの方で起こりやすいので、病気とはあまり関係ありません。
ただし、後述のように例外もあります。


【赤クマの例】

青クマ・紫クマ、茶クマ、紫クマについては、ごくまれですが、いくつかの病気・疾患が関係していることもあります。

ここでは、目の下のクマと病気の関係について解説いたします。
ぜひ参考にしてみて下さい。

このページの要約

・黒クマ・赤クマの多くは、加齢や遺伝によるもので、病気とは関係ない。(まれにバセドウ病の眼球突出により目の下に影が見られることがある)
汗管腫があると、光の加減で目の下が暗く見えることがある。

・茶クマと関係する病気・・・アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹、喘息、アレルギー性鼻炎、色素沈着型接触皮膚炎(リール黒皮症)、太田母斑、甲状腺機能亢進症

・青クマと関係する病気・・・慢性消耗性疾患(疲労や塩分の多い食事が関係することもある)

・赤クマの関連疾患・・・皮膚筋炎

 

茶クマと病気の関係について

目の下のメラニン色素の沈素によって引き起こされる茶クマは、アトピー性皮膚炎または接触皮膚炎により起こることがあります。
その他、アレルギー性結膜炎がある場合、かゆみにより頻繁に目の下をこすることで色素沈着が起こることがあります。

その他、湿疹、喘息、アレルギー性鼻炎の既往歴がある場合、起こりやすいとされています。
また、家族歴も関係しています。

目元の色素沈着を起こす疾患としては、アジソン病(他部位の色素沈着も見られます)、色素沈着型接触皮膚炎(リール黒皮症)、太田母斑があります。
また、甲状腺機能亢進症により目の内側を中心に上下のまぶたに色素沈着が引き起こされることがあります(Jellinek徴候)。

参考文献:
臨牀と研究 72(1): 136-139, 1995.

特にアジア人は炎症後の色素沈着過剰に起因する茶クマが起こりやすい傾向があると言われています。

 

青クマと病気の関係について

まぶたの領域は、体の水分を蓄積する「スポンジ」のようは性質を持っています。
朝や塩分の高い食事の後は、目の周りのむくみが悪化し、青~紫がかった色になることがあります。

血流のうっ滞や酸素飽和濃度の低下が関係していると言われています。
そのため、疲労や慢性消耗性疾患で目の下が青黒く見えることがあります。
つまり、「寝不足でクマが悪化する」というのは、全くないわけではありません。
ただし、以下の図のように、黒クマや赤クマといった青クマ以外のクマも見え方に影響しますので、どのようなクマがあるかを見極めることが必要になります。

目の下クマ・たるみの種類


また、貧血によって目の下の色が暗くなることもあります。(この場合、貧血の治療を行うと、顔の血色が良くなり、クマが改善します。)

炎症などで眼瞼皮膚に充血を生じれば強く発赤し、またうっ血すれば、血流低下して還元ヘモグロビン量(青黒い血液)が増加して、青色から紫紅色を呈するようになります。

赤クマと病気の関係について

ヘリオトロープ徴候(浮腫を伴うことがある眼窩周囲領域の左右対称性の紅斑)は、皮膚筋炎の徴候として有名です。

一般的に、目の下の赤み・赤クマは、目の下の筋肉(眼輪筋)の色や毛細血管の色が透けて見えることで起こります。
ただし、まれに疾患による赤み・赤ら顔が目の下の見え方に影響することもありますので、注意が必要です。

今は否定されている目の下のクマの関連疾患

古くは、「胆道系の疾患により目の周りに褐色の色素沈着が起こる(いわゆる胆汁顔貌)」と言われていましたが、現在は否定されています。

バセドウ病における目元の特徴とクマの関係

バセドウ病の方の約30%に眼球突出が見られることがあります。

バセドウ病では、眼窩脂肪(目の下の脂肪)や外眼筋(目の周りの筋肉)のボリュームが増え、眼球突出や目の下の脂肪のふくらみ(黒クマ)が起こることがあります。

バセドウ病の患者様における目の下のクマ治療について

 

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