目次
「口角のグロースファクター」とは?
注射部位はどこ?
「口角のグロースファクター」では、以下の④の領域にグロースファクターを全体的に打ちます。
参考:
①目の下、②頬・ゴルゴライン、③ほうれい線
(グロースファクターの注射範囲の詳細≫)
どのような結果が得られるか?
口角のグロースファクターによりお顔の外側の皮膚にハリが出て、元の位置に戻ろうとすることでフェイスラインのたるみが改善します。
口元(口角付近)の皮膚のハリが出ることで、マリオネットラインが改善します。
上から落ちてくる頬外側の皮膚の重みに対して、負荷に負けない皮膚のハリが得られるからです。
なぜそのような効果が出るのか?
マリオネットラインができる原因は、頬の外側の皮膚が落ちてくることによって起こります。
特に皮下脂肪が多い場合、皮膚と皮下脂肪はある程度くっついているため、一緒になって重力とともに落ちてきます。
マリオネットラインができる場所は、じん帯があり、皮膚と深いところが強く結びついています。
上から流れてきた皮膚はそこでせき止められてシワができます。
口角・マリオネットラインの部位をグロースファクターで治療する場合は、シワの部分のみではなく、外側全体の皮膚を広く注射します。
これにより支えができて、糸で持ち上げたようなリフトアップが期待できます。
しかも、糸によるリフトの持ち上げる力は、線状のものを組み合わせた、隙間のある不均一な挙上になりますが、グロースファクターの場合、均一にバランスよく持ち上げる力が働きます。
口角のグロースファクターの治療例
施術前・・・顔全体のグロースファクター注入療法(目の下・頬・ほうれい線・口角)を受けられました。
1年6か月後・・・皮膚のハリが出て、マリオネットラインが改善しています。
全体的にリフトアップした印象です。
CASE2.
施術前・・・比較的くっきりとゴルゴ線、ほうれい線、マリオネットラインがあります。
5か月後・・・6か月後の時点でゴルゴ線・法令線・マリオネットラインに追加投与を受けられました。
口角のグロースファクターで治療できる症状は?
口角のグロースファクターは、以下の症状がある方に向いています。
①マリオネットライン、②フェイスラインのたるみ、③頬のこけ、④口横の縦ジワ、⑤アゴのシワ
これらを同時に治療できます。
では、それぞれを詳しく見ていきます。
マリオネットライン
マリオネットラインはグロースファクターの「口角」の部位により治療できます。
<施術前>
<3か月後>
口元のシワが改善され、若々しい印象になりました。
マリオネットラインの改善のためには以下の2つが必要です。
- マリオネットラインのシワのところに皮膚のハリを出すことで、上から落ちてくる皮膚と脂肪を支えられるようにする(土台をしかっかりとさせる)。
- 頬外側の皮膚のハリを改善することで、支えを作り、頬外側が垂れにくくなるようにする(リフトアップ効果)。
口角のグロースファクターの施術により上記2つが同時に実現できます。
一方、例えば、糸リフトであれば上記1のみ、ヒアルロン酸であれば2のみの治療になります。
フェイスラインのたるみ・口周りのもたつき
フェイスラインのたるみがある方は、シャープになることが期待できます。
術前・・・脱脂+グロースファクター後に、顔全体のグロースファクター(頬・ほうれい線・口角)を受けられました。
6か月後・・・フェイスラインも引き締まって、リフトアップしています。
詳細な経過>>
フェイスラインの改善例:
なお、どこまでたるみがキュッと引き締まるかは、皮膚の弾力次第のところがあります。
紫外線を多く浴びてきた方などで弾力が低下している方は、グロースファクターを行っても変化しにくいことがあります。
その他、頬の脂肪が多い方(上からの重みによる負荷が高い方)は、マリオネットラインや口周りのもたつきが多少残ることがあります。
ただし、横を向いても顔が垂れにくくなったり、触った時のハリ感が改善したりするなどの効果や老化防止効果は通常あります。
逆に、放置しすぎて弾力が低下し、たるみがひどくなってからの改善は難しいこともあります。(詳細は後述)
また、症例写真を見ていただくとお分かりだと思いますが、元々たるみが無い場合は、治療を行っても変化に乏しいことがあります。(こちらも詳細は後述)
頬のこけ
コラーゲンを増やし、皮膚のハリを出すことで、骨ばった印象が改善することと、重力により下がっていた皮膚と脂肪が元の位置に戻るため、頬のこけの改善が期待できます。
ただし、グロースファクターで脂肪が増えるわけではないので、元々皮下脂肪が少ない方は、ボリュームアップにはある程度限界があります。
頬のこけの治療例です。
CASE1
施術前・・・脱脂+グロースファクター、コメカミ・頬・ほうれい線・口角のグロースファクター、メラフェードによる治療を受けられました。
その他の頬のこけの治療例:
口横の縦ジワ
笑った時に口の外側に縦にシワができる原因は、皮膚のコラーゲンが減り、動かした時にくっきりと折れ曲がるためです。
はじめは笑った時だけにシワができますが、放置しすぎると固定してしまい、笑ってなくてもシワが見られるようになります。
口角のグロースファクターでは、皮膚のハリが出ることで、口横に縦にできるシワを改善します。
動かした時にできるシワがある方の治療例です。
頬、ほうれい線、口角のグロースファクター注入療法およびメラフェードによる治療をを受けられています。
6か月後・・・口横のシワが改善しています。
詳細な経過>>
アゴのシワ
アゴがシャープな方は、アゴに横ジワができやすい傾向があります。
これは、外側の皮膚の重みでアゴがつぶされるためです。
また、口周りの皮膚が余ってしまう傾向にありますという理由もあります。
グロースファクターにより下の方に上からの重みに対抗するハリが出ることで、アゴのシワも改善することが期待できます。
CASE
脱脂+グロースファクター、頬・ほうれい線・口角のグロースファクター、メラフェードによる治療を受けられた方です。
術前・・・アゴがシャープなため、頬外側の重みによりアゴにシワが寄っています。
アゴのシワも改善しています。
こちらの方の経過の詳細>>
なぜこのように多くの症状が同時に解決できるのか?
グロースファクターは、皮膚の老化の根本である「コラーゲンの減少」に働きかけます。
根本的なところにアプローチするため、このように様々な症状を一気に解決できます。
これは、糸を何十本入れたとしても、あるいはヒアルロン酸を何十cc入れたとしても得られる効果ではありません。
口角のグロースファクターの注意点
マリオネットラインは顔の中で最も下に位置するため、目の下など上の方の部位と比較すると多少治りづらい傾向にある
一般的に、マリオネットラインは重力がかかる最下点にありますので、上の方に比べると、多少治りづらい傾向にあります。(全く効果がないと言うわけでは決してありません。)
特に皮下脂肪が多い方は、重みによる負荷が強くかかるため、マリオネットラインが治りにくい傾向にあります。
逆に重みが少ない方は、比較的改善しやすいです。
皮下脂肪による重みがある方の例
施術前・・・①顔全体のグロースファクター(目の下・頬・ほうれい線・口角)、②メラフェードによるシミ治療を受けられました。
7か月後・・・下の方に位置するマリオネットラインは多少治りづらい印象があります。
詳細な経過>>
皮下脂肪による重みが少ない方の例
施術前・・・ほうれい線+口角のグロースファクターによるフェイスラインのたるみ治療を受けられたモニターの方です。
9か月後・・・フェイスラインが引き締まっています。
また、ほうれい線やマリオネットラインも目立たなくなりました。
詳細な経過>>
元々たるみが無い場合は、治療を行っても変化に乏しいことがある
たるみがない方は当然それ以上フェイスラインがシャープになったりすることはありません。
以下の方は、目の下の脱脂+頬・ほうれい線・口角のグロースファクターを受けられています。
上記の方の写真を比較すると、目の下・頬(中央)・ほうれい線の領域はある程度変化が見られていますが、口角の部位(お顔の外側・フェイスライン)は、もともとそれほどたるみがないため、変化が分かりづらいです(実際はよく見ると少し引き締まっています)。
このような場合、半年かけて徐々に変化していくので、毎日鏡を見ていても、変化に気づきにくいことが多いです。
ただし、こういった方は、今後の予防効果を期待して受けられています。
その他、横を向いたり、下を向いた時にお顔が垂れにくくなるなどの効果が期待できます。
例えば、ほうれい線のシワは、非常にシワ浅い方だと、笑った時に深くならないような効果がメインとなります。
シワは笑うたびに深くなりますが、早めに治療されることで今後の老化防止が期待できます。
つまり、今治療されることで10年後が違うということです。
詳細は以下をご覧下さい。
【よくあるご質問】グロースファクターは、今やっておけば10年後かなり違いますか?
以下、「元々口周りやフェイスラインにたるみがなかった方で、口角のグロースファクター後の変化に乏しかった例」です。
皮膚の弾力が低下していたり、頬の脂肪が多かったりすると、変化に乏しい可能性がある
口角のグロースファクターで口元のシワがどこまで良くなるか、フェイスラインのたるみがキュッと引き締まるかは、皮膚の弾力次第のところがあります。
一般的に、紫外線や糖質過多、喫煙、ストレスなどにより弾力は低下します。
弾力が低い方や頬の脂肪が多い方(上からの重みによる負荷が高い方)は、キュッとなりきれずに、マリオネットラインや口周りのもたつきが多少残ることがあります。
ただし、横を向いても顔が垂れない、触った時のハリ感が改善するなどの効果や老化防止効果は通常あります。
逆に、放置しすぎて弾力が低下し、たるみがひどくなってからの改善は難しいこともあります。
次の方は、紫外線を多く浴びてこられたため、皮膚の弾力が低下した方の例です。
口元のシワが残っています。
また、頬の脂肪が多い方も重みが強くかかるため、マリオネットラインが残りやすい傾向にあります。
口元のたるみが残った場合の最終手段は「口角のたるみ取り手術」
口元のたるみは、頬外側からのたるみも関与しています。
もみあげの前の皮膚を外側に引っ張ると口元がすっきりした印象になるのではないでしょうか?
こちらのたるみを解消する最終手段としては、糸リフト治療よりも、もみ上げの前を切って縫う方法(口角のたるみ取り手術:ミニフェイスリフト)の方が、直接的かつ後戻りがありません。
余っている皮膚を取る方法なので、効果は劇的かつ永続的です。
ただし、こちらはグロースファクターを行っても弾力低下によりたるみが残った場合の最終手段です。
また、通常は口角のグロースファクターにより皮膚のハリを出した後に行います。
薄い皮膚をいきなり引っ張るのは、不自然な結果になったり、牽引に反応しづらいためです。
シミ・くすみがあると、グロースファクター治療後もマリオネットラインが残っているように見えてしまう
口元は、くすみがたまりやすい場所です。
グロースファクターを受けられたとしても、くすみがあると、シワが残っているように見えてしまいます。
その場合、口元のくすみをメラフェードで取っていただくとだいぶ変わることがあります。
次の方は、目の下・頬・ほうれい線治療を受けられ、口角の部位は未治療です。
ただし、メラフェードを使用されたので、口元のくすみ・小ジワが改善してきれいになっています。
実際にご本人さまも口角の部位は治療を希望されませんでした。
メラフェード(塗り薬)は皮膚表面のコラーゲンを増やし小ジワを改善し、さらにくすみを取るため、肌が明るく見える効果があります。
逆に、シミ・くすみがあるだけでも、線やくぼみのように見えることがあります。
次の方は、目の下・頬・ほうれい線・口角の治療を受けられていますが、口元にシミがあるため、治療後も深いシワが残っているように見えます。
特に蛍光灯の下や暗めの場所(エレベーターの鏡や電車の窓、洗面所など)でお顔を見ると、シミ・くすみがくぼみのように見えることがあります。
注意が必要です。
メラフェードは、塗り薬なので、皮膚表面をきれいにします。一方、グロースファクターは、注射なので、比較的皮膚の深いところを強化します。そのため、両方行うことで、よりきれいに仕上がり、相乗効果が期待できます。
通常3か月くらい使用していただければ、写真上でも目に見えた結果が出ることが多いです。
口角のグロースファクターの効果を高める補助的な治療法
マリオネットラインの治療効果を高める方法として、以下の3つの方法があります。
1.額・コメカミのグロースファクターを行う
2.口角のたるみ取り手術(ミニフェイスリフト)を追加する
3.メラフェードを年単位で長期的に塗布して弾力の回復を図る
額・コメカミのグロースファクターで上の方に支えを作る
額・コメカミの皮膚は、紫外線などの影響により徐々に薄くなり、たるんだ皮膚はお顔の外側をつたって下に流れていきます。
口元のたるみの補助的な治療法として、コメカミや額までグロースファクターを投与することで、上に支えができ、下への負担が減ることでマリオネットラインが治りやすくなることもあります。
治療例:
このように額・コメカミ・口角の3か所をグロースファクターで治療することで、お顔の外側一周をしっかり強化でき、フェイスラインのしっかりした改善や小顔効果が期待できます。
ただし、額やコメカミのみの治療でマリオネットラインが治るということはありません。
口角のたるみ取り手術(ミニフェイスリフト)
前述の通り、皮膚の弾力が低下していたり、頬の脂肪が多い方は、変化に乏しい可能性があります。
通常、物足りない場合は、グロースファクターの追加で対処可能なことがほとんどです。
それでもたるみが残った場合の最終手段として、たるみ取り手術があります。
ただし、こちらはよほどの場合にしか行いません。
こちらの治療を受けられる方は、70代以上で、これまで日焼け止めを使用せずに紫外線を多く浴びてこられた方がほとんどです。
メラフェードを年単位で長期的に塗布して弾力の回復を図る
メラフェードは、年単位で使用すると、皮膚の弾力の低下の原因となるエラスチンというたんぱく質を修復する効果があります。
ただし、即効性はないので、かなり地道に使う必要があることと、手術で引っ張るほどの効果ではないことに注意が必要です。
アゴ下・首(頸部)のグロースファクターを併用する
アゴ下は、グロースファクターの部位で言うと、口角の部位と頸部前面(首)の間に位置します。
それら隣り合った部位を治療することで、お互いが引っ張り合い、相乗効果が期待できます。
グロースファクター注入療法(頸部前面+口角)を受けられたモニターの方です。
治療前・・・まず頸部前面のグロースファクター注入療法を、6か月後に口角のグロースファクターを受けられました。
12か月後・・・体重は少し増えたとのことですが、むしろアゴのラインは引き締まっています。
詳細な経過>>
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治療の順番について
前述の通り、マリオネットラインは、顔の中でも一番下にある部位であるため、比較的治療に反応しにくい場所です。
したがって、上にある部位が改善しやすく、①目の下⇒②頬⇒③ほうれい線⇒④口角の順に治療すると治りやすいです。
また、①~③が顔の印象の大部分を占めるため、上から治療する方が効果的と言えます。
以下の方は、目の下・頬・ほうれい線治療のみを受けられ、口角の部位は未治療です。
また、シミ・くすみ治療も受けられていません。
そのため、マリオネットラインとくすみは残っていますが、お顔の中心部の変化がしっかりと出ているため、特に口角の部位の治療は希望されませんでした。
ちなみに、口横の脂肪溶解注射は、やり過ぎるとかえってシワ・たるみが増える可能性があることと、将来的には皮下脂肪は減ることが多いため、今後のことを考えるとあまりお勧めはしていません。
他の治療法との違いは?
「口角のグロースファクターは、他のヒアルロン酸などの治療と何が違うのでしょうか?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
詳細は、以下をご覧下さい。
マリオネットライン【原因・治療法・セルフケア】専門医が解説
よくあるご質問
口角のグロースファクターで法令線が改善することはありますか?
あいにくのところ、そのようなことはありません。
法令線のシワの改善のためには、法令線のグロースファクターが必要になります。
よくあるご質問
力を入れた時だけに出るマリオネットラインはグロースファクターで改善可能ですか?
グロースファクターの「口角・マリオネットライン」を行うと口角が上がりますか?
マリオネットラインの治療方法にはどのようなものがありますか?
口角のグロースファクターで頬の脂肪を増やしたり、こけた感じを改善できますか
グロースファクターの「頬」と「口角」の範囲はどのように違うのでしょうか?
マリオネットラインの治療効果を高める方法には何がありますか?
口角・マリオネットラインのグロースファクターを受ける上で知っておくべきことは?
よろしければ診断ツールをご利用ください
質問に答えていくタイプのツールです。
あなたのお顔のシワ・たるみの種類や状態、さらに適切な治療法が分かります。
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症例写真|顔全体(目の下+頬+法令線+口角)のグロースファクター