ヒアルロン酸による皮膚の壊死は、ヒアルロン酸による副作用・リスクの一つです。
皮膚壊死は、血管内に注入された場合に起こります。
非常にまれな副作用ですが、ヒアルロン酸を検討中の方はぜひ知っておくべき内容ですので、参考にしてみて下さい。
ヒアルロン酸による皮膚の壊死が起こる理由
①血管内に注入したヒアルロン酸が詰まる、②腫れなどにより血管を圧迫することで間接的に血流が途絶えることで起こります。
鼻に注入した場合以外にほうれい線注入時に起こったという報告もあります。
ヒアルロン酸による皮膚壊死が起こる確率
非常にまれで1万件に1回以下の確率で起こると言われています。
ただし、国内の報告では、1/5000の確率で起こったというものや、また、海外の報告では、10.7%の確率で生じたという報告もあります。
皮膚壊死が起こりやすくなる条件
何回もヒアルロン酸注射を受けられたり、ヒアルロン酸注入部位に他の手術を受けられたことがある場合は、リスクが高まります。
鼻先はヒアルロン酸注入による皮膚壊死が起こりやすいので注意
鼻先は、皮膚が厚く、軟骨に固着しているため、注入により血管が圧迫を受けやすい場所です。
そのため、皮膚壊死が起こる確率が高いため、注意が必要です。
ヒアルロン酸による皮膚の壊死の最初の症状
ヒアルロン酸により皮膚壊死が起こる場合、まず皮膚の色が白くなるという現象がごく短時間起こります。
これを見逃さないためには、注入した部位をしっかりと観察しておくことが重要です。
ヒアルロン酸による皮膚壊死の経過
色の変化
一瞬白くなった後、赤⇒紫⇒黒へと日に日に色が悪くなってきます。
黒くなると、かさぶたのようになります。
場合によっては、皮膚が深いところまで壊死します。
そうなると、かさぶたや壊死した皮膚を除去する必要があります。
その他の症状として、数日後くらいから毛穴から膿が出たり、浸出液(傷から出るような水分)が出ることがあります。
壊死した皮膚はどうなる?
なくなった皮膚は収縮しながら傷が治癒しますが、数週間から場合によっては数か月かかることもあります。
その後、修復する手術(皮膚移植など)が必要になることがあります。
その他色素沈着が起こることもあります。
ヒアルロン酸による皮膚壊死による痛みの症状は?
痛みがあるケースも見られますが、まれに痛みがないこともあります。
治癒までの期間
様々な文献を見ると、症状のピークは、1週間から10日後くらいのことが多いです。
しかし、壊死がおよぶ皮膚の深さによっては、数週間くらいかかることもあります。
治癒までは、数週間くらいのことが多く、場合によっては数か月かかる例もあります。
実際の皮膚壊死の報告例
鼻の皮膚壊死の報告例
国内における鼻のヒアルロン酸による皮膚壊死の症例報告では、以下の症状が見られています。
- 鼻にヒアルロン酸注入後、4日目に膿とかさぶたができ、抗生剤が無効だった。
8日目にはかさぶたが乾燥し、3週間後にきれいに治癒。 - 鼻のヒアルロン酸後、広い範囲で壊死が起こり、7カ月後、小鼻に変形が残った。
- 鼻のヒアルロン酸後、5日目に膿と浸出液が見られ、12日目に壊死が見られた。1か月後にきれいに治癒。
- 鼻のヒアルロン酸注入により19日後に赤茶色の皮膚変化があり、1.5か月できれいに治癒。
- 鼻のヒアルロン酸後に、5日後小鼻にかさぶたができ、2か月後、壊死部に変形が残った。
広い範囲の皮膚壊死に失明を伴うこともある
ヒアルロン酸による失明のリスクの詳細>>
眉間の皮膚壊死の報告例
国内の報告で、眉間のヒアルロン酸注入後、皮膚の白色変化はなかったが、1か月後に色素沈着と皮膚の萎縮が見られ、最終的にはきれいに治癒したというものがあります。
こちらも浅い壊死であったことが考えられます。
なお、眉間は、ヒアルロン酸注入による失明のリスクが高い部位なので、注意が必要です。
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