目の下のヒアルロン酸治療を検討中ですか?
ここでは、目の下のヒアルロン酸注入の注意点・副作用などについて解説いたします。
ヒアルロン酸は即効性があるため、急ぎの方にはとても有用です。
目の下のくぼみやクマでお悩みの方はぜひご覧下さい。
ここでは、次のような疑問にお答えいたします。
目次
目の下のヒアルロン酸はどのような症状に効果がある?
目の下のくぼみ
目の下のくぼみは、目の周りの眼輪筋という筋肉の境目に沿ってできます。
皮膚のコラーゲンが減ると、その境目がくぼみとして出てきます。
ヒアルロン酸をくぼみに沿っていれることで、くぼんだ皮膚を持ち上げます。
「目の下のくぼみに対するヒアルロン酸注入」が向いていない方① 目の下のくぼみの範囲が広い方
くぼみの範囲が、目の下だけではなく、頬まで広がっている場合は、ヒアルロン酸できれいにするのは難しいことが多いです。
また、頬のくぼみがある場合、面積的に広いため、どうしても動かした時に凹凸が出やすくなります。
例えば、次の方は、他院様にて脱脂後にヒアルロン酸注入を受け、結局溶かされたという方です。
このように頬のくぼみも見られる場合は、ヒアルロン酸で自然な仕上がりにするのは多少難しいと言えます。
「目の下のくぼみに対するヒアルロン酸注入」が向いていない方② 目の下のくぼみが深い方
目の下のくぼみが深いと、色が青白く、不自然に見えることがあります。
次の方は、ヒアルロン酸を目の下に入れた方です。
右側はヒアルロン酸が透けて青く見えています。
このように、目の下のくぼみが深い場合は、ヒアルロン酸を多く必要とすることがあるため、グロースファクターや脂肪注入などの他の方法をお勧めいたします。
目の下シワ
目の下のシワは、皮膚が薄くなり、繰り返し動く度に折れるためにできます。
笑いジワはどうしても折れ癖になっていることが多いため、治療には限界があることもあります。
目の下のたるみ
目の下のたるみ(黒クマ)に対して、ヒアルロン酸注射が適している方とは?
以下の2つを満たしている方が適しています。
●目の下に脂肪によるふくらみがあまりない方
ふくらみがあると、くぼみとの高低差が大きくなります。
ふくらみに合わせてくぼみを埋めるのはかなり無理があります。
仮に、無理して入れた場合、今度は凹凸が気になることがあります。
特に笑った時に不自然になりやすいので、ふくらみが大きい場合は、経結膜脱脂法を選択するのが無難です。
●くぼみがそれほど深くない方
目の下のくぼみが深いと、それなりの量が必要です。
もし皮膚の薄い目の下にある程度の量を入れた場合、青白く透けて見える可能性があります。
そのため、目の下のくぼみが軽度であれば、ヒアルロン酸の適応があると考えます。
以下、詳しく説明いたします。
目の下のたるみは、目の下の脂肪が出てくることが原因です。
通常、目の下のくぼみも伴うことが多く、凹凸による影ができることから、黒クマとも呼ばれます。
目の下のたるみは、放置すると、徐々に悪化していきます。
目の下のたるみの度合いで言うと、ヒアルロン酸で治療可能なのは、軽度から中等度くらいまでです。
目の下のたるみがひどい場合にもヒアルロン酸は可能?
目の下のたるみがひどい場合というのは、上記の中等度~重度以上に相当します。
例えば、以下の方々は重度に相当しますが、ヒアルロン酸注入のみによる治療は無理があります。
経結膜脱脂法を行った方がよい例です。
手術によりふくらみを取ったほうが確実で、ヒアルロン酸注入によりくぼみをぼかすだけでは、逆に不自然な仕上がりになることが多いです。
なお、脱脂が不十分であった場は、目の下のくぼみにヒアルロン酸を入れても不十分な仕上がりになることがあります。
目の下のクマ
目の下のクマにはいくつかの種類があります。
例えば、青クマは皮下の静脈が透けて見えている状態です。
その他、赤クマという目の下が赤くなるクマもあります。
それらの原因をヒアルロン酸でなくせるわけではないので、完全に色を隠すのは多少限界があります。
黒クマに関しては、前述のように、ふくらみがひどくない場合は治療可能です。
ただし、目の下のくぼみが頬まで及ぶ場合は、頬までヒアルロン酸を入れた方がきれいになります。(頬のヒアルロン酸注入の詳細>>)
目の下のヒアルロン酸注入のメリットとデメリット
メリット
目の下のくぼみ・クマに対して、ヒアルロン酸を打つメリットは以下の通りです。
即効性がある
ヒアルロン酸はすぐに結果が出ます。
そのため、急ぎの場合には適していると言えます。
やり直しがきく
もし結果が気に入らない場合、ヒアルロニダーゼ(溶解注射)によりすぐに溶かすことができます。
ただし、ヒアルロニダーゼは、注射なので、内出血や腫れのリスクが多少あります。
デメリット
繰り返しが必要
ヒアルロン酸は、半年から2年程度でなくなってしまいます。
いい状態を維持するためには、定期的に打つ必要があります。
目の下のヒアルロン酸で起こり得る失敗は?
「目の下のヒアルロン酸注入で失敗したらどうしよう・・・」と心配ですよね。
万が一失敗した場合には、ヒアルロン酸はヒアルロニダーゼで溶かすことができます。
しかし、やはり失敗しないに越したことはありません。
ここでは、目の下のヒアルロン酸注入による失敗のパターンとその対処法などについて解説いたします。
腫れ・ふくらみすぎになる可能性
ヒアルロン酸注入後、翌日には、少し腫れが出ることがあります。
これは、注射の刺激による腫れと、ヒアルロン酸自体が水分を吸収するという性質があるためです。
通常は数日腫れた印象があったとしても、1週間後には落ち着くことがほとんどです。
ごくまれに腫れが年単位で長引くこともあります。(参考文献>>)
その場合、目の下がむくんだ印象になります。
1回の量を腫れも見越した控えめな量にすることと、どうしてもボリュームオーバーになった場合は、後日ヒアルロニダーゼで溶かすという対処をとります。
凹凸ができる可能性
目の下は、皮膚が薄い場所です。
そのため、浅く入れすぎると、凹凸が目立ってしまいます。
特に笑った時に凹凸が出る傾向があります。
適切な深さで入れることと、起こってしまった凹凸に対しては、指でなじませる、分散させるという対処法があります。
目の下が青白くなる可能性
チンダル現象とは、目の下のヒアルロン酸注入後、青白く見える現象です。
浅く大量に入れると起こるため、くぼみが深い場合は、骨膜上にある程度の量を入れて持ち上げるという方法をとります。
その上で、浅いところに入れる量を最小限にします。
次の方は、何年も前に他院様で目の下のヒアルロン酸注入を受けられた方です。
目の下の皮膚が青白く見えています。
失明の可能性
前述のように、浅く入れすぎないことが重要です。
また、目の下には、血管が多く走っています。
特に目の下のヒアルロン酸で注意すべき副作用・リスクとして、失明があります。
ゆっくり注入する、25G以上のカニューラを使用する、注入量を最小限にするなどにより失明のリスクを最小限にすることが重要です。
「目の下のクマへのヒアルロン酸の失敗についての詳細」をさらに知りたい方は、以下をご覧下さい。
目の下のヒアルロン酸がなじむまでの時間は?
ヒアルロン酸注入直後に仕上がりが確認できます。
ヒアルロン酸は、生体になじみやすいので、直後が仕上がりになります。
ただし、前述のように、翌日に腫れが見られることがあります。
しかし、数日から1週間程度で落ち着くことが多いです。
目の下のヒアルロン酸のダウンタイムは?
注入時の内出血が起こるかどうかによります。
通常は、1週間から10日くらいでなくなります。
血が出やすい方、止まりにくい方に関しては、内出血が長引くこともありますので、ゆっくり帰っていただき、ゆっくり過ごしていただくことが重要です。
ただし、どんなにひどくなっても必ず消えますので、内出血があるうちは、飲酒・運動などを控えていただき、安静に過ごして下さい。
目の下の治療後の過ごし方>>
腫れは起こるか?
ヒアルロン酸注入により極端な腫れが起こることはありません。
ただし、内出血がひどく出ると、血豆のようにふくらみが起こることがあり、引くまでに数週間から場合により数か月かかることもあります。
また、アレルギー反応により、みみず腫れのような赤い腫れが起こることがごくまれにあります。
上記のような物肉芽腫・異物反応が数週間から数か月(まれに数年後)経ってから起こることがありますが、これは数万件に1件の非常にまれな
数万件に1件の非常にまれな副作用です。
治療法は、手術で取り除くことなどですが、全てを取り除くのは困難なことが多いです。
最終的には色素沈着やキズ跡が残り、年単位で赤みや腫れが再発することもあります。
内出血は必ず消える?
内出血が特にひどく出た場合、「このまま消えるか心配」と不安になられるかもしれません。
しかし、必ず内出血は消えます。
なお、ひどく出た場合、血液の成分が新着して、茶色く見えることがあります。
目の下のヒアルロン酸による副作用の発生率は?
ヒアルロン酸注入を目の下に行った場合の副作用の発生率がどれくらいかが気になりますよね?
目の下のヒアルロン酸100例の副作用の発生率を調べた報告において、結果は以下の通りでした。(参考文献>>)
(骨膜上に片側平均0.59ml投与)
- 内出血75%
- 腫れ26%
- 青白くなった4%
- しこり33%(7%がヒアルロニダーゼによる溶解を希望)
- 8%で追加投与(3か月以内)
ちなみに、同報告での満足度は以下の通りでした。
- 85%で満足
- 5%はどちらとも言えない
- 10%が満足できなかった
目の下のヒアルロンを入れた後の経過は?
目の下にヒアルロン酸を入れた後は、徐々になくなっていきます。
ヒアルロン酸製剤の種類にもよります。
基本的には、ヒアルロン酸の架橋(ヒアルロン酸分子を化学的に結び付けて強固にする処理)がしっかりしている製剤ほど長持ちする傾向にあります。
目の下には、凹凸のリスクを避けるため、軟らかい製剤を入れることが多いです。
そのようなものはなくなるのが早い傾向にあります。
また、完全になくなるまでの期間とくぼみが出始める期間にはずれがあります。
例えば、1年持つ製剤でも、3か月後くらいには減り始めるため、「もうなくなった」と感じることもあります。
目の下のヒアルロン酸は安いものでも大丈夫?
基本的には、ヒアルロン酸製剤の価格と仕上がりは比例しません。
しかし、安いヒアルロン酸は、製造過程で不純物が混入している割合が多いことが考えられます。
ある報告では、ヒアルロン酸でパッチテストを行った結果、ある程度の方にアレルギー反応が出たというものがあり、ヒアルロン酸で全くアレルギーは起こらないというわけではありません。
また、ヒアルロン酸製剤も改良により、不純物の割合を減らし、その結果、アレルギーが出る確率が減ったりしているということもあります。
アレルギー反応の中には、赤みなどの軽い症状以外に、肉芽腫(皮膚が赤くもり上がる)といった重く難治性のものもあります。
それを考えると、できるだけ良質なヒアルロン酸製剤を選ばれることをお勧めいたします。
当院では、比較的安全といわれるアラガン社のジュビダームを使用していますが、それでも以下のようなリスクがゼロではないという記載が添付文書にあります。
目の下の小ジワにヒアルロン酸は有効?
小ジワがある程度深くなっていれば、ヒアルロン酸注入は可能なこともあります。
ただし、表皮レベルの非常に細かいものであれば、ピーリングやトレチノイン製剤が向いていることもあります。
小ジワは、表皮のダメージにより真皮との接着がところどころはがれ始めてくることで起こり出します。
そのため、ダメージの修復効果がある治療が本質的と言えます。
当院ではメラフェードによる治療を受ける方が多いです。
目の下のヒアルロン酸の料金は?
なお、当院では、小分けでヒアルロン酸注入を行っていません。
感染防止のために1本使い切りのみになります。
血管塞栓を防ぐために、血管内に指していないか逆流を確認する時に陰圧をかけるため、どうしても血液が逆流して注射器の中が血液にさらされてしまうためです。(血管塞栓の予防法の詳細>>)
目の下のヒアルロン酸の注入量はどのようにして決める?
目の下にヒアルロン酸注入は、基本的にはくぼみを埋めるように入れていきます。
そのため、くぼみに応じた量が必要になります。
また、骨格的に頬がくぼんでいる方は、頬まで入れた方がきれいになります。
そのた、皮下脂肪が少なく、頬のたるみ・こけが見られる場合にもどうように頬に入れることで、目の下とのバランスが取れ、きれいに見えます。
目の下のヒアルロン酸の注入とセルフケアの効果の違い
ヒアルロン酸クリームとの違いは?
美容液やパックなどにヒアルロン酸が配合されているものがあります。
そういったものは、ヒアルロン酸注入の代わりになるのでしょうか?
皮膚にはバリア機能があり、有害なものはそう簡単には肌の中に浸透することがないような仕組みになっています。
そのため、ヒアルロン酸のような比較的粒子のサイズが多きい物質は、基本的には肌に浸透することはありません。
しかし、ヒアルロン酸には水を吸う効果があるため、肌に載せると、しっとり感が出ます。
ただし、お風呂に入ると全て流れ落ちてしまいます。
ヒアルロン酸のサプリの効果は?
ヒアルロン酸を飲んでもそれが全て肌に行き渡るわけではありません。
低分子ヒアルロン酸の内服の研究結果を見ても、顕微鏡レベルでわずかな小ジワが改善した程度なので、費用対効果を考えても、ヒアルロン酸注入の代わりになるとは言えないと考えます。
目の下に貼るヒアルロン酸で目の下のくぼみやクマは改善できる?
目の下のクマやくぼみにヒアルロン酸注入をする場合、ある程度の量を入れる必要があります。
そのため、目の下に貼るヒアルロン酸では、小ジワ改善程度が限界で、くぼみやクマの改善は難しいと言えます。
よくあるご質問
【よくあるご質問】こちらのクリニックではヒアルロン酸を溶かす注射は行っていますか?
よろしければ診断ツールをご利用ください
質問に答えていくタイプのツールです。
あなたの目の下のたるみ・クマの種類や状態、さらに適切な治療法が分かります。
次をクリックしていただくと、セルフチェックのページに移動します。
関連記事
ヒアルロン酸注入 | 効果・副作用・適応・利点・欠点
ヒアルロン酸を定期的に入れることのデメリット・危険性について
ヒアルロン酸の種類について
ヒアルロン酸注射の副作用・リスク・危険性について
顔へのヒアルロン酸注射の副作用
ヒアルロン酸の注意すべき副作用|失明について
ヒアルロン酸による皮膚壊死の副作用・リスクについて
ヒアルロン酸による皮膚壊死の初期症状【これが起こったら注意!】
ヒアルロン酸による失明と皮膚壊死の予防法と治療法
知らないと損!ヒアルロン酸で涙袋を作ることの5つのデメリット
目の下のヒアルロン酸注入【目の下のくぼみ・クマ治療の注意点】
ヒアルロン酸による頬のたるみ・ゴルゴ線治療 | 失敗の避け方
ヒアルロン酸によるほうれい線治療
眉間のヒアルロン酸【最も気をつけるべき点とは?】
手の甲のヒアルロン酸【効果と注意点を解説】