「ヒアルロン酸による目の下のクマ治療」で失敗ない方法を知りたいですか?
実は簡単そうに見える治療でも必ずいくつかの落とし穴があります。
逆にそれを知っていれば、きれいな目元を手に入れられると考えます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
目の下のヒアルロン酸で起こり得る失敗は?
「目の下のヒアルロン酸注入で失敗したらどうしよう・・・」と心配ですよね。
万が一失敗した場合には、ヒアルロン酸はヒアルロニダーゼで溶かすことができます。
しかし、やはり失敗しないに越したことはありません。
ここでは、ヒアルロン酸注入による失敗の可能性と、その対処法などについて解説いたします。
入れすぎてふくらみすぎ・不自然になることは?
ヒアルロン酸注入後、翌日には、少し腫れが出ることがあります。(発生率は15~26%)
その腫れは数日~1週間で落ち着いてくることが多いのですが、翌日などにびっくりすることもあります。
これは、注射の刺激による腫れがあり得ることと、ヒアルロン酸自体が水分を吸収するという性質があるためです。
もし修正が必要な場合は、数週間以内にヒアルロニダーゼで溶かすことで、たいてい1回で腫れが目立たなくなります。
ただし、溶かし過ぎると、治療前のくぼんだ状態になるので、溶かす量には注意が必要です。
半年以上続く腫れは、複数回の治療(最低3回以上)の溶解注射が必要になることが多いため、腫れが出て修正が必要そうであれば、早めに溶かすことをお勧めいたします。(参考文献>>)
その他、長期持続型のヒアルロン酸で、ヒアルロン酸の周りにできるカプセルの収縮や、注射の際に皮膚の常在菌が混入することで起こる肉芽腫タイプの盛り上がりが、数か月あるいは数年後に起こることがあります。
そのため、頬の領域のへの注射は、感染を避けるため、虫歯がある時は避けた方がよいです。
また、皮膚へ複数回針を刺すことが、皮膚の常在菌による感染リスクを高めるため、カニューラを使用して、皮膚を刺す回数を減らすことをお勧めいたします。
目の下のヒアルロン酸で凹凸・ボコボコになるのを避けるには?
目の下は、皮膚が薄い場所です。
そのため、浅く入れすぎると、凹凸が目立ってしまいます。
特に笑った時に凹凸が出る傾向があります。
血管を閉塞しないように危険部位に気をつけた上で、まずベースとなるボリュームアップのための注入を骨膜上の深さに行い、仕上げの浅い層への注入を広く浅く行うことで、凹凸を回避できます。
なお、起こってしまった凹凸に対しては、指でなじませる、分散させるという対処法があります。
それでも対処しきれない時は、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸溶解注射)で溶かす必要があります。
目の下のヒアルロン酸で起こる「チンダル現象」とは?
チンダル現象とは、目の下のヒアルロン酸注入後、「青白く見える現象」です。
チンダル現象についての詳細は、以下のようなものです。
光の波長程度以上の大きさの球形の粒子による光の散乱現象で、光が粒子とぶつかり、その進行方向が変えられることにより、光の通路がその斜めや横からでも光って見える現象を言う。
19世紀イギリスの物理学者ジョン・チンダルによって発見されたため、この名がある。
チンダル現象の例として、木漏れ日などがあります。
目の下にヒアルロン酸が浅く入れられた場合、光がヒアルロン酸粒子にぶつかり、光の向きが変わることで、通常見えない光が目に入ります。
それにより、通常とは色の見え方が変わります。
目の下のヒアルロン酸で失明を避けるには?
目の下には、多くの血管が走っています。
目の下のヒアルロン酸で特に注意すべき副作用・リスクとして、「失明」があります。
予防法として、ゆっくり注入する、25G以上のカニューラを使用する、注入量を最小限にするなどにより失明のリスクを最小限にすることが重要です。
また、上の図のように、「目の下の内側」は、動脈への塞栓が起こりやすい場所なので、血管が走っている深さへの注入は避けるべきです。
失明への対処は?
失明に対しては、1時間~1.5時間以内に眼科医によりヒアルロニダーゼの球後注射(眼球の裏側に注射器の長い針を進めて注射する方法)を行ってもらうなどの速やかな対処を行う必要があります。
そのため、眼科医との連携が不可欠です。
しかし、失明に対しては、有効な対処法が確立されておらず、一度動脈塞栓が起こると、最終的には失われた視力は戻らないことが多いと言われています。(失明のリスクの詳細>>)
では、失明はどのようにして予防して、さらにどのように治療するのでしょうか?
詳細は以下をご覧下さい。
頬外側の腫れを防ぐには?
ヒアルロン酸の目の下の注入の副作用で、「頬外側の腫れ」があります。
これは、目の下よりも外側の位置です。
つまり、注射部位を超えた範囲で腫れが起こることがあります。
この腫れは、たいていは、初回注射後の比較的早い時期に起こります。
しかし、まれに注射後数年経ってから起こったという報告もあります。
この報告の中で、腫れが起こった確率は、147例を5年間フォローアップしたうち、17例(11.5%)でした。
これらの約89%は軽度の腫れで、ヒアルロニダーゼによる溶解を必要としたのは約1/3(5例)でした。
その他、マッサージを行うという報告もあります。(参考文献>>)
以下が当てはまる方は、ヒアルロン酸注入後の思わぬ腫れのリスクを考えると、ヒアルロン酸による目の下治療は避けた方がよいと考えます。
- アレルギー体質(もし行うなら事前にパッチテストをお勧めします)
- 酒さの既往
- 小さい時から頬の外側にふくらみがある
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ちなみに、当院での目の下の治療前には、ヒアルロン酸がない状態にしておく必要があります。
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