ここでは、ほうれい線の種類分け・分類をご紹介いたします。
しかし、この方法は、あくまでも学問的な種類分けであって、実際の治療にはあまり直結しません。
極論を言いますと、この分類法は、多くの方々が知っていても、あまりメリットがないかもしれません。
実際に、ほうれい線はある程度の年齢以上になると、「混合型」と呼ばれる複数の種類が混ざった状態がほとんどを占めてきます。
つまり、分類的としては「色々な種類が混ざっていてよくわからない状態」とひとくくりにされてしまいます。
逆に20代などの若い方は、骨格が原因でできる「骨後退型」という種類に分類されることがほとんどです。
ちなみに、骨格自体を変える治療には、プロテーゼ(シリコン)を入れる治療がありますが、感染などのリスクもあります。
目次
海外で報告されているほうれい線の種類分け
シワの深さの程度を表す方法
医学的にはほうれい線に限らず、シワの重症度を測定するための方法については、統一された見解は今のところありません。
論文などで報告されているシワの深さの程度を表す方法としては、数字で「0」から「5」の範囲で示す方法が用いられています。
ちなみに、「0」はシワがないことを示し、最大の数字はひどいシワを示します。
シワの形態によるほうれい線の種類分け・分類方法
こちらは海外の文献で報告されているほうれい線の種類分けの方法です。
まず、シワの形の凹凸感やさらに幅の狭さ・曲がり具合で細分化しています。
ちなみに、こちらの種類分けは、ほうれい線のシワの深さは考慮されていません。
また、これらは白人を基にした分類なので、日本人にはそのまま当てはまるとは限りません。
さらに、実際のほうれい線治療では、シワの形自体を変えることはできないので、あまりこちらの分類は当院ではあまり考慮していません。
しいて言えば、幅広のほうれい線の場合、外側にも枝分かれがあることがあるので、そこを見落とさないように考慮する必要があります。
ほうれい線の原因から見た分類・種類
こちらのほうれい線の分類は、中国人900人を分析した研究に基づいたものです。
立った状態での真顔と笑顔、仰向けの状態での真顔と笑顔の5つの状態および頬の脂肪を手で持ち上げた状態の5つのパターンで観察しています。
その結果、ほうれい線を以下の5つのタイプに分類してます。
さらに皮膚型は、たるみなしとありで細分化されます。
- 皮膚型(たるみなし)
- 皮膚型(たるみあり)
- 脂肪の厚み型
- 筋肉型
- 骨後退型
- 複合型
各分類ごとの特徴
立った状態-真顔 | 立った状態-笑顔 | 仰向け-真顔 | 仰向け-笑顔 | 頬の脂肪を引き上げた状態 | |
皮膚型(たるみなし) | 小ジワ | さらに深くなる | 消えるか薄くなる | 立った状態での笑顔よりは明らかに改善 | 改善度(+++) |
皮膚型(たるみあり) | はっきりとしたシワ | さらに深くなる | 不変または緩和 | 立った状態での笑顔よりは改善 | 改善度(+++) |
脂肪の厚み型 | 「シワの形態によるほうれい線の分類」で言うところの凹型 | さらに深くなる | 多少薄くなるが「凹型」のまま | 立った状態での笑顔よりは多少改善 | 改善度(++) |
筋肉型 | 筋肉の緊張による深いシワ | さらに深くなる | 変化なし | 立った状態での笑顔と比較して浅くなっていない | 改善度(++) |
骨後退型 | 小鼻の土台の骨が低いためにくぼみができている | くぼみがさらに深くなる | 変化なしまたは多少浅くなる | 変化なしまたは立った状態での笑顔よりは多少改善 | 改善度(+) |
複合型 | 上記の2つ以上の要素がある | さらに深くなる | 個人差あり | 個人差あり | 個人差あり |
各分類ごとの年齢別の分布
若年者では比較的種類が分かれています。
骨後退型は、骨格によるもので、「骨くぼみ型」とも表現されることがあります。
特に50代以上では、ほぼ複合型になっています(92.3%)。
つまり、これから何かが言えるかといいますと、年齢がある程度上がると、個人差があり、このタイプの分類方法では分類が難しくなるということです。
参考文献
J Dermatol. 2014 Jan;41(1):92-7.
J Biomed Res. 2017 Jan 19;31(2):108-115.
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