「寝不足でもないのにクマができている」と悩んでいませんか?
あるいは、「年齢とともにクマが寝ても治らない」という方もいらっしゃるかもしれません。
「寝不足で悪化するクマ」は、青クマです。
目の下のクマには、いくつかの種類があります。
それぞれ色で分類されます。
中には、複数の種類が混ざって存在することもあります。
実は、「青クマがある」と思っていても、黒クマも混ざっているということもあります。
その場合は、いくら寝ても治りません。
また、メイクで隠すことも難しくなります。
ここでは、寝不足と関係が深いクマである青クマとその他の種類のクマとの関係や見分け方、原因、対策、解消法について解説いたします。
この記事を読んでいただくことで、明るい目元になり、疲れた印象から解放される第一歩になることを願います。
ここでは、次のようなお悩みにお答えします。
”寝不足によるクマは、血流が悪いから起こるんですよね?もしそうであれば、血流を改善したら治りますか?
寝不足でできるクマは「青クマ」
寝不足でできるクマの種類は、「青クマ」です。
ここでは、青クマの原因・見分け方・解消法について解説いたします。
寝不足で悪化する「青クマ」の特徴
目の上の内側は他のクマの影響を受けることがありません。
まずそこを見て、その色が目の下に連続しているかを見ると見分けやすいです。
青クマの原因
主な原因は、以下の通りです。
- 青クマの根本的な原因は、静脈が透けて見えていることによる。
- 睡眠不足、疲労、血流不良、むくみなどは、青クマが悪化して見える原因となる。
- 目の下のふくらみは、青クマがひどく見える原因になる。
特に血行不良は、血液が酸素不足になり、青黒い色になる原因になります。
また、皮膚の色が白く、薄い方は、青い色が目立ちやすい傾向にあります。
青クマと他のクマとの違い
黒クマ・影クマの原因
黒クマは、目の下の脂肪のふくらみとくぼみによりできます。
凹凸による影で暗く見えます。
黒クマは、目の下のたるみ・クマの中でも最も多い種類です。
茶クマの原因
目の下のシミ・くすみは、メラニン色素により茶色に見えることから「茶クマ」と呼ばれます。
茶クマの原因となる目元の色素沈着の中には、様々な種類があります。
・炎症後色素沈着と呼ばれる表皮(皮膚の一番浅いところ)までのレベルのもの
・日光によるシミ
・より深い真皮レベルのADMと呼ばれる根の深いシミ
炎症後色素沈着は、ハイドロキノンなどの塗り薬でも対処可能ですが、ADMは強めのレーザーの適応となります。
なお、実は、皮膚科で処方されるハイドロキノンは、シミへの効果が弱いことが多いです。
そこで、皮膚のターンオーバーを上げるトレチノインが入ったメラフェードという塗り薬を当院ではお勧めしています。
赤クマの原因
赤クマの原因は、目の下の脂肪の圧力により目の周りの筋肉である眼輪筋の色が透けて見えるためです。
クマの種類の見分け方
「自分はどのタイプのクマがあるか知りたい」と思っていますか?
画像を屋外にて「正面+左右斜め45度」で撮るとクマの種類・色が判別できることが多いです。(正面からの画像だけでは分かりづらいことに注意)
病気との関係は?
青クマ自体は病気ではありません。
しかし、病気が隠れていることもあります。
「慢性消耗性疾患で青クマが起こることがある」という報告があります。
青クマが慢性的にひどい方、長く続いている方は、健康診断を受けられることをお勧めいたします。
寝不足でクマが悪化した場合の緊急時の対策
「寝不足でクマが悪化したけど、取り急ぎ何とかしたい!」という場合もあるとおもいます。
ここでは、緊急時の対処法についてご紹介いたします。
化粧品
青クマなどの色は、コンシーラーなどで色をカバーするのが最も確実で早い方法です。
ただし、黒クマによる凹凸は隠すのに限界があります。
特に斜めから見た場合などには凹凸は隠しづらいこともあります。
塩分を控える
むくみがあると、青クマが悪化したように見えることもあります。
また、水分による重みで顔がたるんで見えることもあります。
塩分を控えることで顔のむくみが改善します。
蒸しタオル
蒸しタオルは、一時的にですが、血流改善作用があり、青クマをごく短時間改善させる可能性があります。
手順:
- フェイスタオル程度の大きさのタオルを水で濡らします。
- 水が垂れなくなる程度に軽く絞ります。
- ロール状に丸め、ラップにくるみ、レンジで1分ほど温めます。
- 目を閉じて、タオルを以下のように2分程度乗せます。
載せる前に必ず適温(40度から45度)であることを確認します。(ヤケドに注意)
「温かくて気持ち良い」と感じるくらいが良いです。
温度が冷めたら再度繰り返し5回繰り返したら終了します。
同様に入浴や運動も皮膚の血流を改善する効果があります。
ただし、一時的に血行を良くしても、効果は永続しないことに注意が必要です。
マッサージ
横方向の応力を減らし、できるだけ垂直に押しながら、水分を移動させるとよいです。
1箇所を押した後は、横滑りさせずに、一旦離すのがポイントです。
むくんでいる場合(青クマ悪化の原因)には多少有効である可能性がありますが、水分移動はごく一時的な効果で、一晩経てば元に戻ってしまいます。
実は、マッサージは、間違った方法で行うと、摩擦による刺激でたるみや茶クマ(色素沈着)が悪化する原因となります。
同様に、クレンジングの際もこすらないように気を付ける必要があります。
特に目の下は、黒ずみやすいお顔のパーツの一つだからです。
目の下のクマ対策のマッサージの間違った方法とその回避方法>>
寝不足でもクマが悪化ないための日ごろのケア
スキンケア以外にも以下の生活習慣や目を酷使しないなどの日ごろの予防が大切です。
紫外線防止・日焼け止め
目の下の皮膚は紫外線によりコラーゲンが減り、たるみが生じます。
日焼け止め以外にもサングラスなども有効です。
詳細はこちら。
甘いものを避ける
甘いものをとることで血糖値が上がり、皮膚のたるみだけではなく、眼窩脂肪を包んでいる膜もたるんでくる可能性があります。
目の下のたるみ・クマだけではなく、顔のシワ・たるみの改善という観点からも大切です。
その他、食べすぎも血糖値を上げるためNGです。
血管年齢を若返らせる
皮膚などの修復には良質な血流が欠かせません。
血流を改善させることで、見た目の若々しさのだけではなく、健康維持にも効果的です。
眼輪筋トレーニング
眼輪筋は、目の周りに全方向にあります。
そこで、以下の2つの指の当て方により負荷をかけ、目をつぶるという方法が考えられます。
横方向の眼輪筋の収縮
縦方向の眼輪筋の収縮
ともに軽く眼輪筋に負荷をかけて、収縮させると、鍛えることができます。
目袋やクマが長期的に治るかどうかのエビデンス(科学的な証拠)は乏しいですが、ドライアイ改善などは少なくとも期待できると考えます。
アイクリーム
市販のものは有効成分や濃度が規制があります。
そのため、基本的には、それなりの効果を出せる製品はまずないと言ってもよいです。
また、抗シワ効果があるとされるレチノールでも実質的な効果が弱いため、はっきりとした改善は難しいと言えます。
詳細は、黒クマの自力改善方法やビタミンC誘導体によるクマ対策の詳細をご覧下さい。
青クマの解消法
青クマは、皮下の静脈が透けて見えている状態です。
美容クリニックで行う施術としては、皮膚を厚くさせるか血流改善による方法があります。
さらに、目の下にふくらみ(黒クマ)がある場合、目の下の脂肪の圧迫により皮膚の血流が低下していることがあります。
その場合は、経結膜脱脂法(まぶたの裏側から目の下の脂肪を取る手術)により改善します。
皮膚を厚くする青クマの治療法
青クマは、グロースファクター注入療法により皮膚を厚くさせることで改善可能です。
1回の治療で長期維持できます。
ただし、静脈自体はなくならないので、完全にゼロにはなりません。
次の方は、グロースファクターによる目の下の青クマの治療例です。
(同時にSR+レーザートーニングも受けられています。)
なお、小ジワにもある程度は効果が期待できますが、回数が6回くらい必要だったりします。
黒クマ(目の下のふくらみやくぼみ)には無効です。
ちなみに、マッサージなどのセルフケアで血流を改善させる方法は、茶クマ悪化のリスクがある上、効果がごく一時的であるため、青クマの対策としてはお勧めいたしません。
青クマの治療法の詳細>>