目の下のくぼみやふくらみの名前・名称を知りたいですか?
目の下には、筋肉やじん帯などにより様々な凹凸が生じます。
ここでは、分かりやすく図で解説いたします。
ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
目の下の各部位の分かりやすい名前・名称
本HPでは、目の下の部位について、基本的に、以下のように分かりやい日本語の表現を用いています。
こちらを分かりやすく解説します。
目の下には、まず涙袋があります。
その下が眼窩脂肪(目の下の脂肪)によるふくらみです。
上の図の赤い点線は筋肉の境目にできた溝です。
筋肉の境目の溝?と思われる方もいると思いますので、下の図を見て下さい。
ここが境目です。
先ほどの写真と重ね合わせてみると・・・
見事に一致します。
このくぼみ・溝が、眼窩脂肪によるふくらみとともに、陰影(黒クマ・影クマ)の原因となります。
黒クマ(影クマ)・目の下のたるみの2つの原因
目の下のふくらみ(たるみ)・目袋
目の下のふくらみに関しては、目袋や目の下のたるみ・黒クマ(目の下のふくらみ+目の下のくぼみ)などの名前があります。
目の下のふくらみは、眼窩脂肪(目の下の脂肪)が出てくることで起こります。
また、目の下のふくらみが生じることで、様々な色の変化が目の下に起こることもあります。
涙袋
涙袋とは、まつ毛のすぐ下の膨らみのことです。
涙袋は、目の周りの筋肉(眼輪筋)の一部です。
上の図の矢印が涙袋です。
頬のたるみ・くぼみ・ゴルゴ線
頬のくぼみ・たるみが深くなると、頬中央にゴルゴ線(ゴルゴライン)が生じます。
これって病気ですか?
ここまで読まれてそう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実はほとんどがいわゆる老化現象によるもので病気ではないことがほとんどです。
ただし、ごくまれに例外もあります。
詳細は以下をご覧下さい。
目の下のクマ「これって病気ですか?」【形成外科専門医が解説】
また、目の下のクマの種類の見分け方については、以下をご覧下さい。
目の下のクマの種類はどの色?【画像を使った簡単な見分け方】
「目元」とはどこを指す?
「目元」とは、辞書的には「目の辺り」を指し、言葉としてはあいまいな使われ方をします。
例えば、「目元のクマ」と言えば、「目の下」を指します。
また、「目元が下がってきたと」言えば、「目の上」になります。
つまり、状況によって意味が変わると言えます。
目の下のくぼみ・溝の詳細な名前・名称
目の下の各部位の名前・名称には、正式名称がありますが、ほとんどが英語です。
医学英語の多くは和訳されることが多いですが、目の下の名前については、日本語の文献でも英単語のまま使用されていることが多いです。
次に、目の下の構造の名前・名称について詳しく解説いたします。
「目の下のくぼみ・溝」の名前・名称は、以下のようになっています。
目の下の溝、くぼみについては、面積の広さにより英語でもそれぞれ以下の名前・名称の使い分けがあります。
目の内側の溝の名前・名称は、正式には2つある
目の内側の溝には、上の図のように①nasojugal groove、②tear trough deformityと呼ばれる2つの名前がそれぞれあります。(詳細は後述)
ちなみに、目の「内側」と「外側」の境界は、「黒目の中央」になります。
目の下のくぼみの名前①(nasojugal groove)について
「眼輪筋の下端」を指し、同時に上唇鼻翼挙筋という鼻の脇を縦に走る筋肉との境目に当たります。
①nasojugal grooveに沿って太い血管(顔面動静脈)が走っています。
そのため、目の下のヒアルロン酸注入や脂肪注入(固体または半固体)による目の下のくぼみ治療の際に、これらに誤って注入すると、失明のリスクがあり、注意が必要です。
目の下の溝付近の血管について
・目の下の動脈
目の下の領域を走る動脈は以下の通りです。
・目の下の静脈
目の下の静脈です。
多くは、動脈と並行して走っています。
「目の内側の溝」に2つの名前・名称がある理由
目の下のくぼみは元々nasojugal grooveと呼ばれていました。
これは「解剖学的な名前・名称」で、目の下のたるみの有無とは無関係です。
一方、tear trough deformityは、「症状名」です。
tear trough deformityは、本来目の下の膨らみに伴ってできるくぼみのことを指していましたが、徐々に使用法が混在されるようになっています。
nasojugal grooveは、tear trough deformityと同じという説と違う(2-3mm上にある)という説があります。
目の下のくぼみの名前②(tear trough deformity)について
Tear trough deformityは、目の下のふくらみによりできる目の下と頬の間の溝のことです。
lid-cheek junctionがある眼窩下縁の2-3mm下にできるとされます。
眼輪筋の隔膜前部と眼窩部(後述)の境目にできます。
また、これは頬の脂肪(malar fat pad)の端と一致します。
Tear trough deformityは、加齢に伴い、retaining ligament(顔のじん帯)の弛緩や中顔面の下降などにより変化します。
眼輪筋について
眼輪筋の構造です。
以下の3つのパート分かれており、①~③の名前が付いています。
頬の脂肪が少ないと、若い方でも眼輪筋が浮き出て、目の下にくぼみが生じることがあります。
なお、眼窩脂肪の突出により眼輪筋は薄くなります。
目尻の溝の名前は?
目尻の溝の名前は、Lid-cheek junctionやpalpeblomalar grooveと呼ばれます。
目の下のくぼみのうち、目尻側(外側)は、目の下の脂肪が「重度」、つまり目の下のたるみがある程度ひどくならないと出てきません。
ちなみに、内側は若年者でも見られることがあります。
Lid-cheek junctionと呼ばれる目尻の溝の原因となる筋肉の境目については、目の外側のorbicularis retaining ligament (ORL)と呼ばれるじん帯(後述)がその形成に大きく関与していると言われています。
目の下のくぼみ・溝が生じる原因となる「じん帯」の名前・名称
目の下から頬にかけては、複数の「顔のじん帯」があります。
目尻の溝は、上記のorbicularis retaining ligament (ORL)と呼ばれるじん帯により生じます。
顔のじん帯とは?
顔のじん帯(retaining ligament)は、骨と皮膚をつなぎとめる役割があります。
皮膚は紫外線などの影響により支えを失ってたるんでいきますが、顔のじん帯によりこれらが目の下や頬が無限にたるむのを防いでいます。
重力により下がった皮膚はじん帯のところでせき止められて、目の下のくぼみやゴルゴ線などができます。
その他、口元にある「顔のじん帯」によりマリオネットラインができます。
目の下のくぼみ・溝の名前の実例における解説
目の下のくぼみ・溝、頬のくぼみについて実際の例で解説いたします。
目の下の溝・くぼみは2種類あると述べました。
それぞれは定義上別々のものですが、実際は区別が付きづらいことが多く、ほとんど同一と言ってもよいこともあります。
また、前述のように、目の下のたるみがそれほど深くない方は、目尻の溝は目立たないこともあります。
目の下のくぼみの位置には2つの名称が記載されていますが、実際には1つの「目の下のくぼみ」があるように見えます。
治療する場合も2つの名称を意識することはありません。
なお、こちらの方は頬のくぼみがごくわずかに見られています。
こちらの方は、頬のたるみとくぼみがはっきりと見られています。
こちらの方は目の下の名称は2つ記載されています。
そのうち一つは頬のくぼみと連続しているようにも見えます。
目尻の溝はうっすらとあります。
こちらの方は、目尻の溝がうっすらとあります。
また、涙袋と目袋が2つ分かれているように見えます。
頬のくぼみは実際ははっきりとしていません。
目の下の内部構造の名前・名称
目の下の皮膚の下には、眼窩脂肪(目の下の脂肪)や眼輪筋をはじめ、以下のような構造があります。
それぞれの名前は以下の通りです。
眼窩隔膜は、目の下の脂肪(眼窩脂肪)を包んでいる膜です。
下まぶたの眼球側(裏側)には、CPFと呼ばれるじん帯があります。(詳細>>)
拡大すると次のようになります。
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