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ほうれい線に有効なクリームは? | 二子玉川美容外科クリニック

法令線をクリームで薄くするには

 執筆者: 加治佐 卓也
二子玉川美容外科クリニック院長
(医学博士・形成外科専門医)

ほうれい線に有効なクリームをお探しですか?

この質問は、患者様からよく聞かれます。
そこで、今回、詳しく調べてみました。

結論から申し上げますと、ほうれい線をクリームや美容液でしっかりと改善させるのは、数か月から1年くらいでは難しいです。

また、しっかりとした結果を出すためには、年単位の時間と10万円単位のかなりの費用がかかります。

ここでは、ほうれい線が気になる方のためにクリームなどの情報について解説いたします。

ぜひ参考にしてみて下さい。

クリームによるほうれい線改善についての検証

ビフォーアフターの画像検索の結果

クリームによるほうれい線改善は可能なのでしょうか?

2021.1.13にgoogle画像検索で「ほうれい線 クリーム」で検索したところ、ほうれい線のシワが改善したビフォーアフターの写真はありませんでした。(画像検索結果を見る>>

化粧品会社にほうれい線への効果があるクリームについて問い合わせた結果

次に、各化粧品会社にほうれい線に効果があるクリームの有無について直接問い合わせてみたところ、以下の回答を得ました。(ちなみに回答なしの企業様もありました)

・ポーラお客さま相談室

回答を社内有識者に相談しました。
弊社には「リンクルショット メディカルセラム」という商品がございます。
日本香粧品学会で定めた、新効能の取得のための抗シワ製品評価ガイドラインの評価基準において、有意性が得られた商品ではございます。
ただし、「ほうれい線」は「医療」の世界で使われる言葉であり、「化粧品」が「ほうれい線」を目立たなくするという文言をメーカーが使いますと、医薬品医療機器等法に抵触してしまいます。
そのため、メーカーの立場からは「ご紹介できる商品があるとは言えない」状況でございます。
そのため、「ほうれい線」ではなく、「口元のシワ」と言い換えていただければ幸いでございます。

リンクルショット メディカルセラムのページ>>

・カネボウ化粧品 消費者相談室

「ほうれい線」のケアには、しっかり保湿することや紫外線を防ぐことが大切だと考えております。

現在弊社にて販売いたしております美容液「DEWボーテモイストリフトエッセンス」は、濃密とろみ処方で、ハリ・弾力肌へ導くよう設計いたしております。
また、乾燥による小じわを目立たなくします。
また、ほうれい線ケアのためのマッサージ方法につきましてもご紹介いたしておりますので、ご参考にしていただけましたら幸いです。

DEWボーテ モイストリフトエッセンス>>
インプレス テクニック>>
トワニー 美容テクニック>>

・P&Gグループ お客様相談室SK-II担当

化粧品と医薬部外品で許可された効能表現につきましては、それぞれ、「乾燥によるシワを目立たなくする」と「シワを改善する」でございます。
よって、「ほうれい線を目立たなくする」、「(深い)シワを治す」ことを直接訴求可能な商品・製品等は発売いたしておりません。
また、弊社では、「シワを改善する」承認を得た医薬部外品は発売いたしておりません。
よって、弊社では、「乾燥によるシワを目立たなくする」効能表現が許可された化粧品のみ販売いたしております。
弊社SK-IIのホームページでは、お肌のお悩み、「キメの乱れ・乾燥」、「ハリ」、「しわ(乾燥によるシワ)」など別にご紹介する製品を掲載いたしております。

SK-IIのホームページ>>

リンクルショットについて

「リンクルショット(ポーラ)」はどれくらい効果があるのか?
患者様からよく聞かれるので、詳しく調べてみました。

ちなみに、リンクルショットは、シワ改善効果をうたった初の医薬部外品です。

「リンクルショット ほうれい線」で画像検索を行った結果

googleで画像検索した結果、比較的正確な比較写真(ビフォーアフターで明るさに違いがないもの)は2例あり、そのうち1例は「2か月使用で効果あり(実際はごくわずかな小ジワレベルの改善のみ)」、もう1例は「2か月使用で改善なし」でした。

リンクルショットによる実際のほうれい線改善例

こちらに片側のほうれい線のみリンクルショットを塗り8年間続けたという方の写真があります。(写真が掲載されているページ>>
たしかに塗った側と塗っていない側は差があります。
ただし、塗った期間が8年という長い期間であるということと(塗布前とその途中経過の状態は不明)、ほうれい線のでき方には左右差がある場合も珍しくないので、この1例のみでは何とも言えません。
ちなみに、同ページに掲載されてい他の方には、同商品を塗っていたかは不明ですが、両側に比較的はっきりとしたほうれい線が見られます。

実際にどれくらいの改善効果があるのか文献を調べた結果

次に、リンクルショットがどれくらいのシワ改善効果があるのか調べた調査結果を以下まとめました。

①紫外線照射したマウスに8週間(2か月)塗った結果

次の2つのグラフは、マウスに紫外線照射後、各クリーム等を塗布後、シワがどれくらい改善したかを調べたものです。

リンクルショットデータ①

リンクルショットデータ②

リンクルショットは、0.05% レチノールとほぼ同等くらいの効果があると言えます。
ただし、0.05%レチノイン酸ほどの効果はありません
ちなみに、メラフェードは0.1%のレチノイン酸が配合されています。

②ヒトの両目尻に6か月塗った結果

こちらは、ヒト48例の両目尻に6か月塗り続けた結果です。(ちなみに、被験者の年齢層は示されていませんでした。)
以下の結果を見ると、6か月という期間で効果は全くないわけではありませんが、10μm単位です。
これは、0.01mm単位の深さだけシワが改善しているということです。
つまり、半年の塗布では、ごくわずかな小ジワの改善のみだということが言えます。

リンクルショットデータ③

ちなみに、リンクルショットによる目尻のシワの改善例の写真を見ると、やはりごくわずかな小ジワレベルの改善のみが得られています。
したがって、通常のほうれい線のような深いシワに対しては、少なくともこの実験期間である半年間では変化は実感しづらいことが考えられます。
つまり、目に見える結果を得るためには、前述のように年単位で塗る必要があります。

費用対効果は?

本体 ¥14,850(税込)、1部位使用で約4か月持つとして、1年あたり約4.5万円の費用がかかります。
例えば、グロースファクターによるほうれい線治療と比較した場合、仮にリンクルショットを4年以上塗り続ける必要があるなら、グロースファクターの方がお得になる計算です。

グロースファクターは、初回費用こそかかりますが、1回の治療で長期維持されるからです。

ちなみに、1回クリームを塗るのに1分かかるとすると、1日2回塗布を4年間でちょうど48時間分の塗る手間がかかっている計算になります。
グロースファクターなら、1回の施術は10分~15分程度で済みます。(その他、カウンセリング20分、麻酔クリーム20分程度を要します。治療後の通院は不要です。)

 

 

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