首のシワ・たるみが気になりますか?
ここでは、首のシワ・たるみの原因と予防法、セルフケア、治療法について解説いたします。
ぜひ参考にしてみて下さい。
首のシワ・たるみの症状
横方向のシワ
首のシワで最も気になる方が多いのが、首の横方向のシワです。
首の皮膚のたるみ
首の皮膚がたるむと、波打った状態になります。
また、アゴ下から首にかけての脂肪が多いと、脂肪の重みで皮膚が下がるため、二重アゴやアゴと首がつながった状態になります。
首の血管が浮き出る
皮膚が薄くなると、首の血管が浮き出てきます。
首のシワ・たるみの原因
首の皮膚・皮下組織のコラーゲン減少がシワ・たるみを引き起こす
皮膚の主成分はコラーゲンです。
また、皮膚の下には脂肪組織がありますが、それを支えているコラーゲン線維があります。
ともにこれらのコラーゲンが、紫外線や加齢による影響で減少することで、首のシワ・たるみが起こります。
首は、顔と異なり、じん帯で皮膚が支えられていません。
そのため、コラーゲンが減ると、たるみが目立つようになります。
また、首の皮下組織の下には広頚筋という薄い筋肉があります。
首の真ん中でその縦方向のスジが2本浮き上がることもあります。
動かすことでシワが深くなる
首は常に動く場所です。
そのため、動かす度に横方向のシワが深くなります。
徐々に深くなると、折れ癖になります。
なお、スマホで下を向くためにシワができるという説があります。
確かに、下を向くことで、重力の影響で皮膚は下垂します。
しかし、その力は、首のたるみを起こすほど強力ではありません。
皮膚のコラーゲンが減ることで、首のシワ・たるみが起こり、たるんだ皮膚は下を向くことでさらにたるんで見えるというのが実情です。
実際に、首のシワはスマホがなかった時代の方にも見られます。
筋肉の衰えは、首のシワ・たるみの原因ではない
よく首のシワ・たるみの原因は筋力の低下なども原因などと書かれていたりしますが、基本的に首は常に頭を支えているため、常に筋肉は使っています。
よって、首のシワ・たるみがある方でも、それほど筋力低下はありません。
首のシワ・たるみを自力でケアする方法はある?
「首のシワ・たるみを自分で何とか改善したい・・・」
そう思われている方も多いのではないでしょうか?
ネット検索で、「首のシワ」「首のたるみ」で調べてみると、様々な方法がでてきます。
それらを医学的に検証してみました。
ニベア・ワセリンを塗る
ニベアはグリセリンなどが主成分の軟膏です。
保湿効果がメインです。
ワセリンも同様の効果があります。
これらは、小ジワの予防効果はあっても、首の皮膚のコラーゲンを増やすほどの効果はないため、首のシワ・たるみの改善は難しいです。
美容クリーム
コラーゲンをしっかり増やすほどの効果がある美容クリームは市販されていないのが現状です。
美容クリームの中には、抗シワ効果をうたっているものも確かにあります。
しかし、例えばレチノールは、トレチノインの1/100の効果しかなく、トレチノインでも小ジワくらいしか改善できません。
また、シワに効果があるとされるクリームの文献を見ても、小ジワが多少良くなるくらいの改善しか得られていなかったりします。
小ジワは、疲労や湿度・季節の変化により変動があるので、一見良くなったように見えることもあれば、逆に悪くなったように見えることもあるので、評価が難しいと言えます。
ストレッチ
ストレッチにより筋肉をほぐすのは、リラクゼーション効果は期待できますが、残念ながら皮膚の若返りは得られません。
寝る時に枕をしない
寝ている間に首が屈曲するのを予防するために枕をしないことは、一見有効のように見えますが、仰向けでは首は伸展しているので、枕によりそれほど首のシワ・たるみが悪化することはないため、積極的に枕なしで寝ることをお勧めはいたしません。
もし枕なしでも問題ないという方は、試されてもよいと思います。
筋トレ
首には、前述のように広頚筋という筋肉があります。
前述のように、筋肉の衰えが首のシワ・たるみの原因ではありません。
ただし、広頚筋は皮膚とゆるやかにつながっているため、筋肉の緊張が増えることで、多少は首のシワ・たるみが改善する可能性はあります。
pao
両側に羽がついた器具を口にくわえる顔の筋肉を鍛える器具が市販されています。
google検索で「pao 首のシワ」「pao 首のたるみ」で画像検索を行っても、これといったものは出てきません。
ただし、前述の通り、改善の可能性がゼロではなく、デメリットもそれほどないので、試してみてもよいかもしれません。
ブラシ
硬めのブラシで首の皮膚をこすることで、首のシワ・たるみを改善する方法があります。
こちらは、局所的な損傷後の修復によるコラーゲンの再構築または乾布摩擦による血流改善作用によるものが考えられます。
ただし、摩擦による肌荒れや炎症が起こることで色素沈着のリスクがあるので、注意が必要です。
パック
パックをすることで、保湿効果が期待できますが、ヒアルロン酸やコラーゲンが配合されていたとしても、それらは皮膚には基本的には入っていかないので、注意が必要です。
なぜなら、そららは分子量が大きく、皮膚のバリアを通過できません。
基本的には洗うと全て流れ落ちてしまいます。
美顔器
イオン導入、RFなどがありますが、google画像検索で「美顔器 首 シワ」で調べてみたところ、これといったビフォーアフターは出てきませんでした。
家庭用の美顔器でコラーゲンを増やすのは難しいと考えますが、ビタミンCのイオン導入は、皮膚の若返りには多少プラスの効果はあります。
紫外線防止
日焼け止めや帽子・日傘などで紫外線をブロックすることは、首のシワ・たるみに対して予防効果はあります。
ただし、当然改善するほどの効果はありません。
首のシワ・たるみの治療法
首のシワ・たるみの治療法は、以下の方法に分かれます。
上から効果が強い順に並んでいます。
- 手術による治療法・・・ネックリフト手術
- 糸による治療法・・・吸収される糸と非吸収性の糸があります。
- 注射による治療法・・・グロースファクター、PRP、ボトックスなどがあります。
- 照射治療による治療法・・・高周波やHIFU、レーザーなどがあります。
- 塗り薬・薬剤塗布による治療法・・・トレチノイン、ケミカルピーリングなどがあります。
照射治療による首のシワ・たるみ改善
3mm~4mmくらいの深さに効く治療法としては、HIFUまたはRF(高周波)があります。
RFは、深部において、HIFUの20~30% くらいの効力です。
しかし、HIFUなどの強すぎる治療は、脂肪を破壊することで、皮膚が余り、かえってたるみのリスクもあります。
実際に、HIFUの顔や首に対する治療の2年間の長期結果を調べた論文の画像を見ても、それほど変化はありません。
首のシワ・たるみに関してはほとんど変化がないレベルです。
HIFUの論文は短期結果に関するものが多いです。
考えられる理由として、短期的には熱による腫れがあるので、一時的に良くなったように見える時期があることが考えられます。
なお、HIFUによる首のたるみ治療はBMI30以上だと効果が出にくいという報告があります。
フラクショナルレーザーなどのレーザー治療は、皮膚のごく表面に作用します。
ネックリフト手術による首のシワ・たるみ治療
ネックリフトは、首の後ろの皮膚を切って縫う、手術による治療法です。
その他、首の前で広頚筋を縫い合わせる治療を併用することもあります。
しかし、手術による治療は最終手段で、実際には受けられる方はほとんどいらしゃいません。
糸による首のシワ・たるみ改善
首のシワに対する糸による治療は、糸の入れ方・本数により効果が異なります。
ただし、本数が多くなれば、それだけ内出血や腫れ・感染のリスクが上がります。
入れ方によっては、手術と同等の効果も期待できますが、短い糸を複数入れる方法では変化は乏しかったりします。
注射治療による首のシワ・たるみ改善
首のシワに対する注射治療には、ヒアルロン酸がありますが、半年から2年程度で吸収されるため、繰り返しが必要です。
ボトックスも半年程度の効果ですが、78例の治療例うち5.2%の嚥下障害、1.3%の首の筋力低下が見られたという報告があります。
長期効果がある首のシワ治療には、グロースファクターと水光注射とがあります。
当院の水光注射は、器械によるはんこ注射の形式でグロースファクターを広く浅く注射するものです。
ただし、水光注射は打つ量が少ないので、変化は写真で判別できる程度のものではなく、小ジワやキメの改善程度の効果になります。そのため、様子を見ながら3~6か月ごとに何度か行う必要があります。
もし明瞭なシワ・たるみの改善をご希望でしたら、通常のグロースファクターをおすすめいたします。
塗り薬・薬剤塗布による首のシワ改善
トレチノインやケミカルピーリングは、表皮の代謝を改善させることで小ジワ改善効果は期待できますが、はっきりとした首のシワの改善は難しいと言えます。
首のシワ治療の仕上げに向いています。
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