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フォトフェイシャルの美肌効果とは|効果を最大化する7つの要点

 執筆者: 加治佐 卓也
医学博士・形成外科専門医

フォトフェイシャルは、シミや小ジワ、ニキビ、赤み、毛穴など皮膚の多くの悩みに対して効果を期待できる治療法です。

しかし、効果に関しては個人差があります。
また、皮膚の症状によっては違う治療法を選択または併用した方がよい場合もあります。

その他、ここではフォトフェイシャルの効果を高めるために押さえておきたいポイントもあります。

今回の記事を読んでいただくことで、フォトフェイシャルの治療による症状別の効果、他の治療法との効果の違い、フォトフェイシャルの効果を高めるポイントを把握していただければ幸いです。

フォトフェイシャルの症状別効果

フォトフェイシャルは、シミ・くすみや小じわ、赤み、ニキビ、毛穴の開きなど多くの皮膚の症状に対して効果を期待できます。

どのような効果を期待できるのか、治療前と治療後の写真(SRによる治療例)を使用して解説します。

シミに対する効果

フォトフェイシャルは、老人性色素斑、雀卵斑(そばかす)、くすみ、脂漏性角化症(シミが盛り上がったもの)に対し、有効だといわれています。

老人性色素斑は、紫外線や加齢によるシミのことです。

シミが濃い場合には、フォトフェイシャルの施術を数回繰り返す必要があります。

施術を繰り返すと、徐々にシミやくすみが目立たなくなります。

写真は、左から治療前、治療3日後、治療2週間後のものです。

治療3日後にかさぶたができていますが、無理に取らずに放置しておくと、自然にはがれ落ちます。

かさぶたを無理に取ると、摩擦による炎症でシミが残ってしまう場合があるので注意しましょう。

治療2週間後には、かさぶたが自然に取れて、シミも薄くなっています。

小ジワに対する効果

フォトフェイシャルは、深いしわになる前の小ジワに対して効果を期待できます。

赤みに対する効果

紫外線のダメージや加齢により皮膚の血管が広がった状態になると、皮膚の赤みが出ます。

フォトフェイシャルには、紫外線による毛細血管拡張、加齢によるクモ状血管腫、老人性血管腫、赤みが比較的弱い酒さなどの血管が広がった状態を改善する効果もあります。

写真を見てみると、左の治療前に比べて、赤ら顔が改善しているのがわかります。

ただし、フォトフェイシャルは皮膚の表面にある表皮の赤みに対しては高い効果を期待できますが、深部の血管による症状に対しては改善が期待できません。

毛穴の開きに対する効果

フォトフェイシャルの熱で、毛穴を引き締める効果を期待できます。

左が治療前の写真で、右の写真は治療2週間後のものです。

1回の治療で、毛穴が目立たなくなっているのがわかります。

ニキビに対する効果

ニキビ菌が出す物質(ポルフィリン)にフォトフェイシャルの光が吸収されると、殺菌効果があるといわれています。

フォトフェイシャルの施術によって、ニキビの原因となる皮脂腺分泌も抑えます。

また、フォトフェイシャルはニキビの赤みに対しても効果があるので、早めに治療するとニキビ跡が残りにくいです。

ただし、炎症や化膿を伴うニキビには効果がありません。

左の治療前の写真に比べて、右の治療後の写真ではニキビによる赤みや跡が改善していることがわかります。

炎症後色素沈着に対する効果

炎症が落ち着いた後に、皮膚に茶色や黒色などの跡が残ることがあり炎症後色素沈着と呼ばれます。

例えば、炎症が落ち着いた後の赤みを伴うニキビ跡にフォトフェイシャルが有効な場合があります。

治療前の写真に比べて、治療2週間後の写真ではニキビによる赤みや跡が改善しています。
フォトフェイシャルによる熱が皮膚のターンオーバーを促進し、色素沈着の原因となるメラニンを皮膚の外へ出しやすくします。

ハリ低下やくすみに対する効果

フォトフェイシャルは、皮膚の表面にある表皮と深部にある真皮の両方に働きかけることができるので、皮膚の細胞の代謝が高まります。

皮膚のハリ、つやなどが改善し、皮膚の質が良くなります。

また、美白効果も期待できます。

左の治療前の写真に比べて、右の治療後の写真では皮膚のハリが改善し、皮膚の色が明るく(白く)なっていることがわかります。

脱毛効果

毛根の黒い色素に対して、フォトフェイシャルの熱を反応させることにより永久脱毛も可能です。

1.5~2か月に1回の間隔で照射します。

完全にツルツルの状態にするためには、510回程度の施術が必要です。

左の治療前の写真に比べて、右の治療後の写真ではわきの下の毛がなくなり、ツルツルになっていることがわかります。

シミに対するフォトフェイシャル以外の治療法との効果の違い

シミに対しては、フォトフェイシャル以外にもいくつかの治療法があります。

フォトフェイシャルに比べて、それぞれの治療法の効果にどのような違いがあるか解説します。

また、他の治療法の費用の目安も記載しているので、参考にしてみてください。

フォトフェイシャルの費用の目安は、14万円くらいです。

イオン導入

イオン導入とは、本来は皮膚に入りにくいビタミンCを電気の力を使って皮膚に浸透させる治療法です。

週に1回から月に1回程度を目安に、継続的に治療を行います。

フォトフェイシャルほどの効果は期待できないものの、併用すると効果が高まるといわれています。

費用の目安は、1万円くらいです。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングでは、酸性の薬品を皮膚に塗り、皮膚表面の余分な角質を溶かします。

月に1回程度の治療を何回か行うことが多いです。

フォトフェイシャルほどの効果は期待できないものの、併用すると効果が高まるといわれています。

費用の目安は、13万円くらいです。

ハイドロキノン

皮膚にハイドロキノンを塗ると、メラニンが抑えられてシミが改善します。

皮膚のターンオーバーを高める効果のあるトレチノインと併用すると、効果が高まるといわれています。

ただし、数か月程度塗り続ける必要があります。

時間はかかりますが、塗り薬なので自宅でできるというメリットがあります。

費用の目安は、数千円から5万円くらいです。

トレチノイン+ハイドロキノン

ハイドロキノンにトレチノインを併用すると、トレチノインのターンオーバー促進作用によりハイドロキノンの効果が高まります。
また、トレチノインにより小ジワ改善効果も期待できます。

シミ治療-各治療のカバーできる疾患

副作用の出にくい、メラフェードという製品がお勧めです。

メラフェードの効果>>

メラフェードの経過写真


施術前/6か月後・・・目の下のくすみ・小ジワが改善しています。

フォトフェイシャルの効果を高めるためのポイント7つ

フォトフェイシャルは、さまざまな皮膚の悩みに効果を期待できる治療法ですが、より効果を高めるために押さえておきたいポイントがあります。

医師の診察を受ける

フォトフェイシャルは、安心して受けられる治療といわれていますが、思わぬ副作用が起こる可能性もあります。

また、フォトフェイシャルの治療効果を期待できる皮膚の症状かどうかを医師に診断してもらう必要があります。

レーザーや光治療の経験が豊富で、副作用にもすぐに対処できる医師のもとで施術を受けた方が安心です。

かさぶたを無理にはがさない

シミへフォトフェイシャルを施術した後に、かさぶたができることがあります。

かさぶたは数日で自然にはがれるので、無理にはがさないようにしましょう。

無理にかさぶたをはがすと、皮膚への刺激で色素沈着が起こる可能性があります。

また、メイクや洗顔の時にも、皮膚をこすると摩擦で色素沈着の原因になるので注意しましょう。

日焼けをしないようにする

フォトフェイシャルでは、光を照射するので日焼けした皮膚には予期せぬトラブルが起こる可能性があります。

紫外線による日焼けはシミやシワの原因になりますし、日頃から予防するようにした方がよいです。

フォトフェイシャル施術前だけでなく、施術後も日焼けをしないように心がけましょう。

特に施術後は皮膚が敏感な状態なので、日焼け止めを塗る、紫外線が強い日中はなるべく外出を控える、日傘や帽子、サングラスを使用する、などの対策をして、皮膚を刺激から守りましょう。

他の治療法を併用する

フォトフェイシャル単独で治療を行うよりも、イオン導入やケミカルピーリングなどの他の治療法を併用するとより高い効果を期待できます。

ケミカルピーリングでは、余分な角質が除去されるので、フォトフェイシャルの光が皮膚に届きやすくなるというメリットもあります。

また、治療期間中だけでなく、治療終了後もビタミンCローションやハイドロキノン軟膏などを36か月間、皮膚に塗るようにするとフォトフェイシャルの効果を長持ちさせることができます。

食生活を整える

ビタミンCを含むサプリメントの併用やバランスのとれた食生活など、皮膚がよい状態を保てるように日頃から自分で管理できると、フォトフェイシャルの治療効果をより高め、維持できます。

定期的に治療を続ける

定期的に治療を続けることにより、皮膚の良い状態を保てるといわれています。

最初は月に1回程度の施術を何回か行い、改善した後も定期的に施術をするときれいな状態を維持できます。

肝斑の治療を先に行う

シミにはさまざまな種類があります。
肝斑が混ざっている場合にフォトフェイシャルを先に行ってしまうと、肝斑が悪化する可能性があるので注意が必要です。

肝斑かどうかは、診察を受けて判断してもらう必要があります。

肝斑の場合には、フォトフェイシャルの前に、トラネキサム酸レーザートーニング、ハイドロキノンなどの治療法を行うことをお勧めいたします。

フォトフェイシャルの効果が出るメカニズム

フォトフェイシャルの治療は、光治療とも呼ばれることがあり、IPL(インテルス・パルス・ライト)という光を皮膚に照射します。

IPL装置には、5001200nmの波長を持つ可視光線や近赤外線を発するフラッシュランプがあり、メラニンやヘモグロビン、水分などに熱を与えます。

メラニンやヘモグロビン、水分などに熱を与えると、シミや赤み、小じわの改善につながります。

フォトフェイシャルは、複数の波長の光を照射することが可能なので、皮膚の悩みに合わせて最適な光を選び治療できます。

また、波長やパルス幅、出力、冷却温度を皮膚の状態に合わせて調整できます。

パルス幅は、光の照射時間を意味します。

フォトフェイシャルの効果が出るメカニズムを細胞レベルで見てみると以下のようなものが挙げられます。

細胞増殖刺激

ケラチノサイトや線維芽細胞などを刺激するので、コラーゲンが生成されます。

サイトカインや増殖因子の分泌促進

サイトカインやbFGFなどの増殖因子の分泌が促進されるので、コラーゲンが生成されます。

熱刺激による熱ショック蛋白の誘導

熱ショック蛋白は、英語ではheat shock proteinといわれ、HSPと略します。

フォトフェイシャルによる熱で、HSP1つであるHSP47が誘導され、コラーゲンの生成が促進されます。

また、HSP70が誘導されると、皮膚にとって悪影響のある異常な蛋白が処理されます。

フォトフェイシャルの治療を継続していると、皮膚への慢性的な熱刺激によって蛋白の糖化反応が減り、皮膚を若返らせる効果を期待できます。

まとめ

フォトフェイシャルは、シミや小じわ、ニキビ、赤み、毛穴など皮膚の多くの悩みに対して効果を期待できます。

しかし、フォトフェイシャルでは効果を期待できないシミや深いシワ、色素沈着もあるので、治療前に医師の診察を受けて最適な治療法を検討する必要があります。

フォトフェイシャルの効果をより高めるために、イオン導入やハイドロキノンなどの治療法を併用したり、定期的に治療を続けることが大切です。