フォトフェイシャルは、光を照射することによってシミや小ジワ、ニキビ、赤ら顔などを改善する治療法です。
フォトフェイシャルは、多くの医療機関で行われており、比較的安全に施術できると考えられています。
しかし、適切に行わないとシミが悪化したり、ヤケドをする場合もあります。
今回は、フォトフェイシャルの副作用とその対策、リスクを最小限にする方法について解説いたします。
副作用や対策についてよく理解し、より安全に美肌を目指しましょう。
目次
フォトフェイシャルの副作用と対策
フォトフェイシャルは、比較的安全な治療法と考えられていますが、副作用が起こることもあります。
主な副作用には、以下のようなものがあります。
ヤケド
まれではあるものの、光の出力が強い場合や冷却が不十分な場合に、ヤケドが起こることがあります。
ヤケドの後に、色素沈着や色素脱失が起こる方もいます。
もともと皮膚の色が濃い方や日焼けしている方は、ヤケドが起こりやすいといわれています。
ヤケドへの対策は、すぐに施術した医師に相談することです。
もしヤケドになってしまったら、十分に冷やしてから、ステロイドの外用薬を塗ります。
ヤケドの後に色素沈着を起こさないように、最低1か月は、ハイドロキノンなどの美白剤を塗った方がよいです。
毛包周囲炎
うぶ毛の濃い部分にフォトフェイシャルを行うと、赤い発疹のようなプツプツができる場合があります。
毛包周囲炎への対策として、炎症を抑える外用薬を塗ると、数時間から数日後には治ることが多いです。
痛み
フォトフェイシャルの施術で、痛みを感じることもあります。
しかし、通常は耐えられるくらいの痛みです。
もし痛みが強い場合には、光の出力が強すぎることや接触不良(ハンドピースが皮膚にしっかりと密着していない)などが原因として考えられます。
痛みへの対策ですが、痛みや皮膚の違和感を感じたら、すぐに医師に知らせるようにしましょう。
また、痛みや赤みが出ている場合には、すぐに冷やすことが大切です。
すぐに冷やせば、ヤケドや色素沈着などのリスクを減らせます。
虹彩炎
まぶたに対して照射する時に、目の保護をしていないと虹彩炎やぶどう膜炎が起こることがあります。
虹彩炎への対策として、上まぶたや下まぶたに対してフォトフェイシャルを施術する時には、目を傷めないように保護した方がよいです。
具体的には、上下のまぶたに施術する場合には、麻酔薬を点眼し、コンタクトシェルの装着を行います。
シミの再発
照射後の冷却が不十分だと、シミが再発する場合があります。
また、シミの症状の程度によっては、一時的に改善したように見えても、数か月後にはシミが再発することがあります。
対策としては、フォトフェイシャル以外の治療への切り替え、内服薬や外用薬の併用などを検討します。
また、フォトフェイシャルの施術前後で写真を撮っておくのも、症状の改善や悪化を比較しやすいのでおすすめです。
肝斑の悪化
シミと一言でいっても、フォトフェイシャルで効果が期待できるものから、悪化してしまう可能性があるものまで、さまざまです。
例えば、治療をしていない肝斑に対して強い照射をすると肝斑が悪化する可能性があります。
対策としては、治療前に医師に肝斑がないかどうか判断してもらうとよいです。
もし肝斑が見つかったら、まず肝斑の治療を行い、改善してからフォトフェイシャルを受けるようにしてください。
肝斑の治療には、トレチノイン、ハイドロキノンのような美白剤やトランサミンの内服などがあります。
フォトフェイシャルのリスクを最小限にする方法6つ
フォトフェイシャルをこれから受けようと考えている方だけでなく、現在治療中の方も、より安全に施術を受けるためにフォトフェイシャルのリスクを最小限にする方法を6つ紹介します。
紫外線対策をする
フォトフェイシャルの施術前、施術後には、紫外線対策を行いましょう。
特にフォトフェイシャル施術後は、皮膚が敏感になっているのでより注意が必要です。
日焼け止め、日傘、帽子、サングラスなどをうまく活用して、日焼けしないようにしましょう。
皮膚の状態に合わせて治療する
照射の強さを上げると、早く効果を実感できるのではないかと考える方もいるかもしれません。
しかし、照射が強すぎると、かえって皮膚を傷めてしまいます。
症状や皮膚の状態を考慮し、適切な光の強さで、月1回を目安に5~6回程度の治療を続けていくとよいです。
内服薬や外用薬を併用する
フォトフェイシャルの施術を何回か継続すると、肌質が改善したように感じます。
しかし、フォトフェイシャル単独よりも、内服薬や外用薬を併用するとより高い効果を期待できるので、医師に相談してみるとよいかもしれません。
生活習慣やスキンケアを見直す
フォトフェイシャルの治療効果を維持するためには、毎日の生活習慣やスキンケアが重要になります。
フォトフェイシャル施術後には、皮膚が敏感になっているのでしっかりと保湿をするようにしましょう。
食生活や睡眠などの生活習慣の乱れは、皮膚にも悪影響が出ます。
バランスのよい食事や十分な睡眠を心がけましょう。
痛みを感じたら早めに伝える
痛みや赤みなどが起こった場合には、早めに医師に伝えるようにしましょう。
すぐに冷やし、適切な処置ができればヤケドや色素沈着のリスクが最小限になります。
身体の状態を医師に伝える
妊娠中や授乳中、光線過敏症の原因となる疾患がある方、レチノイド摂取中の方、今まで光線暴露後に体調不良や症状が悪化したことのある方などは、フォトフェイシャルの施術を受けられません。
また、美容目的で金の色などの施術を受けたことのある方、長期の糖尿病、血友病、心臓ペースメーカーやインプラントなどがある方は、事前に医師によく相談する必要があります。
まとめ
フォトフェイシャルは、皮膚への刺激が少なく、安全な治療法と考えられています。
しかし、ヤケドや痛み、シミの再発、肝斑の悪化などが起こる可能性もあります。
フォトフェイシャルを施術中に皮膚の痛みや違和感、体調不良などを感じたら、すぐに施術している医師に伝えるようにしましょう。
もし副作用が起こったとしても、すぐに冷やしたりすれば症状の悪化や色素沈着を防ぐことができます。
起こりうる副作用をよく理解し、リスクを最小限にするポイントを押さえ、安全に美肌を目指しましょう。
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参考文献
JJSLM.31(1).2010
MB Derma No.165. 2010