目の下の脂肪(眼窩脂肪)がどのようなものかが知りたいですか?
眼窩脂肪は、目の下にある、眼球のクッションとなる脂肪です。
ここでは、眼窩脂肪について図とともに分かりやすく解説いたします。
ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
目の下の脂肪(眼窩脂肪)とは
眼窩脂肪とは、目の上と目の下の脂肪の両方を指します。
眼窩脂肪とは、眼窩隔膜の後ろにある、眼球を囲む軟らかい脂肪です。
前の方では、薄い隔膜により、上まぶたでは2つの、下まぶたでは3つの区画に分かれています。
ただし、区画には個人差があり、下まぶたの区画が2つしかない例や3つの区画がさらに枝分かれしてることもあります。
眼窩とは
「眼窩脂肪」の「眼窩」とは何を意味するのでしょうか?
眼窩とは、ピラミッド状の4つの骨の壁により囲まれた空間で、奥の方は狭くなっています。
眼球は、眼窩の手前の方にあります。
他に、眼球を動かす筋肉や、涙を出す涙腺、血管や神経、眼窩脂肪などが入っています。
眼窩内で出血が起こった場合、眼窩内では周りが骨に囲まれているため、眼窩の最も奥にある視神経を圧迫することが問題になります。
視神経は、網膜からはじまり、眼窩の一番奥の視神経管という穴を通り、脳へつながっています。
眼窩脂肪の突出による「目の下のクマ」
目の下の脂肪(眼窩脂肪)が出ると、目の下にふくらみができます。
いわゆる黒クマ(影クマ)です。
飛び出してきた脂肪の余分な部分を取る治療は、経結膜脱脂法と呼ばれます。
眼窩脂肪の飛び出した余分な部分だけを取るので、機能には影響はありません。
目の下の脂肪(眼窩脂肪)が出る原因
眼窩脂肪が出る原因は、眼窩(目の周りの骨)が広いことが影響しているという論文があります。
眼窩は、容量30ml程度のくぼみです。
加齢とともに広がっていきます。
また、目の下の骨の角度が低いと、眼窩脂肪が飛び出す原因となります。
その他、眼球を支える「Lockwood(ロックウッド)じん帯」がゆるむために眼窩脂肪が押し出されるという説があります。
ただし、若い方でも目の下の脂肪が出てくることもあれば、高齢の方でも出てこないことも多いです。
「ロックウッドじん帯」は、眼窩内にハンモック状につり下がっており、眼球を支えています。
眼窩の下の壁がなくなっても、このじん帯があるため、眼球は下に落ちません。
目の下のふくらみがある方では、目の下の脂肪・眼窩脂肪のボリュームは増えている
目の下のふくらみがある方は、眼窩脂肪のボリュームが増えていることが、MRIなどの画像でも確認されています。
ただし、脂肪細胞自体が大きくなるわけではなく、脂肪組織の隙間が増え、眼窩脂肪の密度が低下していることが分かっています。
ちなみに、目の上の眼窩脂肪は、加齢とともにくぼんでくることが多いです。
目の下の脂肪(眼窩脂肪)と体脂肪の違い
目の下の脂肪(眼窩脂肪)は、ダイエットをしても減りません。
眼窩脂肪は、体脂肪とは代謝が異なるためです。
逆に体重が増えても、眼窩脂肪は増えたりはしません。
なお、太ももから採取して、目の下の皮下に脂肪注入すると、後から体脂肪率の増加にともない、凹凸が出てくることもあります。
目の下の脂肪(眼窩脂肪)は、可動性がある
目の下の脂肪(眼窩脂肪)は、上を向いた時と座った状態とでは、位置が変わります。
上を向いたときに、目の下の脂肪は、重力により後ろに移動するので、目の下のふくらみがある方は、一瞬良くなったように見えます。
それに対して、皮下脂肪は、じん帯で固定されているため、動きが少ないです。
目の下の脂肪(眼窩脂肪)は、可動性があるために、筋肉を圧迫して、目の下が赤くなることがある
前述の通り、目の下の脂肪(眼窩脂肪)は、可動性があります。
そのため、目の周りの筋肉(眼輪筋)を後ろから圧迫して、目の下に赤みが出ることがあります。(赤クマ)
その証拠に、赤クマは、目の下の脂肪を経結膜脱脂法で取った直後に改善します。
目の下の脂肪(眼窩脂肪)による目の下にふくらみは、皮膚を後ろから圧迫して、血流を低下させている可能性がある
目の下の脂肪(眼窩脂肪)による目の下にふくらみがある方は、皮膚が圧迫を受けて、血のめぐりが悪くなっている可能性があります。
実際に、目の下の皮膚の血流を測定すると、上を向いて見た時に血流が改善しました。
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