ここでは、ヒアルロン酸による失明と皮膚壊死の予防法と治療法について解説いたします。
ぜひ参考にしてみて下さい。
ヒアルロン酸による失明と皮膚壊死の予防法
次のような場合は注意が必要
以下は、皮膚壊死や失明のリスクが高くなるので、注意が必要です。
- 深部への注入(鼻の基部、外側壁などは危険)
- 人中への注入
- 大量に注入(0.1ml以上)
- 以前鼻の手術歴がある方
- 圧力をかけての注入
- 細く先のとがった針
注入時の注意点
血管の塞栓を防ぐための方法です。
- ゆっくり注入する
- 25G以上のカニューラを使用すること(ただし完全に防げるわけではなく、27Gdだと血管を刺すこともある)
- 注入量を最小限にする
- 注入時に針を移動させる
- 注入の追加は0.1ml 以内にする小さいシリンジを使用する
- エピネフリン入りのフィラーを使用する
- 太い血管を圧迫してつぶしながら注入する
※逆流を確認することは確実ではないと言われています(フィラーの粘稠度により逆流確認が難しいことと血管が陰圧でつぶれるため)
(参考文献>>)
ヒアルロン酸注入によるリスクが高い場所
部位によって失明のリスクが高い場所があります。
ただし、前述のように、リスクが低い場所でも失明の可能性がゼロであるわけではありません。(参考文献>>)
リスクが低い部位
アゴ、マリオネットライン、頬外側、頬下部、耳の前
リスクが中等度の部位
唇、口周り、頬前面
リスクが高い部位
コメカミ、ほうれい線、目の下、目の周り、頬の内側、鼻の外側
リスクが非常に高い部位
眉間、額
注入する深さについて
中間層に動脈が走っているため、最も塞栓のリスクが高いです。
骨膜近くの深い層や皮膚のすぐ下の浅い層に注入するとリスクを減らせます。
ヒアルロン酸による失明と皮膚壊死の治療法
失明に対しては、確実に有効とされる治療法は確立されていないというのが現状です。
- 温湿布
- マッサージ
- ニトログリセリン軟膏
- アスピリン内服
- 酸素投与
- ヒアルロニダーゼ
- 失明が起こったら眼科医に治療を依頼する
参考文献
Patient Safety Recommendations – Issue Date 20 December 2016 – ISAPS
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